日仏農高生交流始動 担い手成長の糧に 小豆栽培、どら焼き開発 そば、ガレット学び合い 3月から7プラン

東京都立農産高校を訪問したフランスの農業高校教員ら。生徒が栽培した草花で植物標本を作る様子を見学した(18年11月、東京都葛飾区で)

 日本とフランスの農業高校で、夢のある交流プロジェクトが動きだす。両国で同じ小豆を栽培し独創的などら焼きを開発したり、漫画で自分たちの農業を描いたりしながら、お互いの成果を共有する。規模やスタイルは異なるが、先進国農業の将来の担い手として共に成長することを目指す。日仏両政府も応援する。(特別編集委員・山田優)

 フランスのシャルトル農業高校のフランク・コパン教諭が提案するのは和菓子作り。両国の参加校で小豆を栽培。お互いに独創的などら焼きのレシピや試作品を開発し、情報を共有する。フォンテーヌ農業高校のジョリス・ドビル教諭はソバに注目。日本側は、そば粉を使ったフランスの郷土料理ガレットを学び、フランス側は日本そばのレシピを学ぶことを提案する。

 コパン教諭は、両国の特徴的な農業生産を紹介する漫画を日仏の生徒が協力して描くことを提案。日本の「マンガ」はフランスでも人気だ。この他、発酵食品技術の共同研究や教員、生徒の相互交流なども構想に含まれる。

 日本とフランスは、2014年から農政ワーキンググループを毎年開いてきた。農政や最新技術などの情報交換が目的だが、フランス側が一昨年から農業教育面の交流強化を持ち掛けてきた。

 17年には日本から農業高校の教員らが招かれてフランスを訪問。18年11月には農水省の招きで来日したフランスの農業高校教諭らが、長期的な日仏交流の強化を具体的に提案し、両国の農業担当省が支援することを正式に決めた。笹川日仏財団も「農業分野で若者が交流することは大切」(伊藤朋子東京事務局長)と助成金の提供を通じて後押しする考えだ。

 農水省はフランス大使館の農業担当部門と話し合い、フランス側の要望を受ける形で七つのプロジェクト実施計画案(アクションプラン)をまとめた。単なる「交流」を掲げるのではなく、生徒がイメージしやすい事例を示したのが特徴だ。フランス側は「日本語を話せる教員がいる」「滞在費を負担してもよい」「ミツバチや西洋梨のル レクチエ、環境配慮型農業でもプロジェクトができないか」など熱心に日本側に働き掛けている。

 農水省は12月半ば、計画案を全国農業高等学校長協会を通じて367会員に送付した。今月末に日本側の農業高校で関心のあるところが手を挙げる運びだ。「言葉や予算などの問題はあるが、全国の農業高校が知恵を絞って一歩前に踏み出してほしい」と農水省の佐藤一絵就農・女性課長は呼び掛ける。両国の農業高校の希望を調整し、3月から具体的な活動が動きだす見通しだ。

 フランス大使館のサビーヌ・オフェレール参事官は「これを契機に日仏農業の若い担い手同士で緊密な関係を築きたい。フランスでは日本の文化や食への関心が高まっている。日本の農業高校からの参加は大歓迎だ」と話している。
 

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