里崎智也さん(野球解説者) ご当地料理をたらふく 栄養よりおおらかな食事

里崎智也さん

 養のバランスが大事だ──。最近、そう言われるじゃないですか。今は情報があふれ、親もそういう考えに接して、子どもに食事を与えています。でも、栄養なんて関係ないっていうのが僕の考えで(笑)。特に子どもたちはバランスなんか考えなくていいから、とにかく量を食べないといけないと思うんです。

 身長の高い低いというのは、これはしょうがないことで、どうこうするわけにはいきません。でもたくさん食べることで、体をでかく強くすることはできます。朝昼晩としっかり食べることが大事だと思います。

 小学校に招かれてお話をさせていただくことが多いんですが、給食の少なさにびっくりさせられます。そんな量でおなかいっぱいになるの? もっと豪華にいこうぜ! そう感じますよ。僕たちの時代に比べると、一品一品の量が少ないし、品数だって1品くらい少ないんじゃないですかね。食べきれない子がいて残すのは問題でしょうけど、もっと食べられる子にはたくさん食べさせればいい。

 は徳島の田舎で育ったから分かるけど、農家って、形の悪い野菜は出荷せずに自分たちで食べます。食べきれない分は、かなりの量を捨ててました。最近は形の悪いのをまとめて安く売ったりするようになったけど、でもまだまだたくさん捨ててるのと違いますか。

 だったらその野菜を、学校給食に寄付したらいい。地域のつながりも深まりますよ。生徒は畑に実習に行き、寄付していただいた野菜はこういうふうに作られているんですよってことを学ばせましょう。地域と学校が手を結び、声掛けやあいさつができるようになっていけば、防犯にも役立ちます。

 最近の子どもは朝ご飯を食べないので、学校で朝食を出すところがあるという話を聞きました。その朝食に、地域から寄付してもらった野菜を煮込んだスープなり、みそ汁なりを出せばいいじゃないですか。野菜を煮込んだ鍋は、僕も大好きでした。理想的な料理だと思っています。

 ポーツ選手の食事というのは、競技によっていろいろ違いがあるんです。1年に1回、あるいは4年に1回この日が勝負だという競技だと、その日に体を最高の状態にしないといけません。ある時期までは体づくり、この時期からは当日に合わせたコンディション調整、炭水化物を増やしていこうなどと工夫をして臨みます。

 僕のやっていた野球はそれと違って、毎日試合があります。それが半年も続くんです。コンディションだのバランスだのを気にしていたら、半年間何も食べられないですよ。きょうは豚肉を食べて疲労回復しようだなんて……。そんなことを考えて食べ物を決めていたら、頭が疲労しちゃう(笑)。好きな物を好きなだけ食べて、ストレスを解消させる方が大事ですね。

 ナイターの場合なら、練習が終わってミーティングが始まるまでの間、午後4時半とか5時に食べないといけない。球場で素早く食べるわけだから、あまりより好みもできません。

 だから球場の外では好きな物を食べます。札幌に行ったらジンギスカンやすし、仙台なら牛タンを食べます。大阪ではお好み焼きと焼き肉を食べて、福岡ならば水炊きともつ鍋。その地方その地方での名物料理、王道の食事を食べるんです。もちろんたくさんの量を。

 食べ物については、頭でっかちになってしまうより、おおらかにいけばいいと思いますね。(聞き手・写真 菊地武顕)
 
 
さとざき・ともや

 1976年、徳島県生まれ。鳴門工業高校(現鳴門渦潮高校)、帝京大学を経て、99年に千葉ロッテマリーンズ入団。長打力のある捕手として活躍。2006年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、日本代表の要として世界一獲得に貢献した。14年に引退。現在は千葉ロッテのスペシャルアドバイザーも務める。

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