活躍する農業女子 仲間と時代を変えよう

 女性農業者の活躍が目立ってきた。スタートから5年が過ぎた農水省の「農業女子プロジェクト」は、女性の意見を取り入れたトラクターや作業着など多彩な商品が誕生するなど成果が表れてきた。これまでの実践をばねにステップアップしよう。

 農業現場発の知恵やアイデアを企業の技術やノウハウなどと結び付け、新商品やサービスを開発する農業女子プロジェクト。社会に広く発信することで存在感を高め、若手女性の就農を増やすのが狙いだ。2013年の発足当初は、女性農業者37人、企業9社の参加だったが、18年には700人を超え、34社が参加する取り組みに拡大した。

 主な商品として、全8色のカラフルなボディーに紫外線カットガラスを使い、座席を低めにした軽トラック、汗をかいても蒸れない下着、体の片側だけに負担がかからず軽量の草刈り機などがある。

 以前は、「きつい」「汚い」「危険」の3Kイメージが強かった農業だが、女性農業者の感性を生かした「かわいい」「おしゃれ」な商品を出すことで、これまでのイメージを覆す、新たな農業の発信につながった。

 女性の視点を生かした加工品を作ったり、女性が働きやすい環境を整えたりして活躍する女性の姿を、インターネットの交流サイト(SNS)などを通して分かち合えるのは、新規就農し、身近に仲間のいない人などにとっては心強いものだろう。

 地域版の農業女子グループも生まれている。地域によって農業の事情が異なるだけに、顔の見えるネットワークも求められている。JAや女性組織は、ぜひこうしたグループに参加する若手リーダー候補の女性たちと連携を強めてほしい。

 JA広島市では昨年11月、管内全域の女性農業者が参加する農業女子ネットワークが誕生した。栽培技術や知識を高める研修や、他団体や企業との連携、農畜産物の情報発信や6次産業化商品の企画などに向けて動きだした。全国各地にこうした取り組みが広がれば、農村地域は活気づく。

 いまだに農村地域は男性中心の社会で、女性農業者は孤立しがちだ。営農技術を学びたくても研修の場に出にくい、相談できる人が身近にいないなど悩みを抱える女性は多い。「意見を言っても聞いてもらえない。男性との間に大きな溝がある」とこぼすフレッシュミズもいる。

 意欲や行動力があるにもかかわらず、活躍できない女性がいるのはもったいない。女性の力を引き出し、活躍の舞台をつくることが大切だ。志を同じくする仲間が集まれば、1人ではできない大きな成果を生み出すことができる。

 先が見えにくい時代こそ、今までにはない視点が必要となる。女性ならではのしなやかな感性を生かすチャンスだ。JAのネットワークを生かし、女性の力を最大限に生かそう。

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