安藤なつさん(お笑い芸人) 親が作った野菜が原点 ドラマで農業応援したい

安藤なつさん

 家は東京郊外で、親は昔から畑を借りていろいろな野菜を作っています。25坪(82・5平方メートル)くらいですかね。子どもの頃よく連れていかれて、手伝った気がするんですよね。水を運んだりとか。

 農薬を使わないんです、うちは。木酢液を使って地道に虫よけをしています。

 夏ならクウシンサイ、ナス、トマト。10月になったらサトイモですね。皮ごとゆでる、きぬかつぎが大好きです。カボチャ、キャベツ、サツマイモ、タマネギ、紫ダイコン、ワサビあえにして食べるちっちゃいカブ、ニンニク、バジル……。うちは野菜を買うことはなかったんじゃないですか。

 1人住まいをしてからは、実家から野菜が送られてきます。葉物はすぐ使わないといけないので、仕事場で皆さんに配ったりしています。今年はハクサイが50株くらい取れたといって、むちゃくちゃ送られてきました。漬物にしたり鍋にしたり。

 だいたい高校生くらいになると、ジャンクフードに走るじゃないですか。私もそうでした。でもこの歳になると、野菜がすごくおいしく感じられます。もともと育ってきた味に戻るんですね。今、サトイモを一日何個食べてるんだろう。分からないくらい食べてます。

 家に帰ったとき、収穫の手伝いはします。大変なところはやらないで、おいしいとこだけ手伝う(笑)。私、虫やナメクジが苦手で、まだ親のように野菜作りに対して気持ちが向いていないんです。

 この間帰ったら、母が小麦粉を作っていました。自分で小麦をひいてたんです。うそでしょうと思いました。いよいよここまできたかと、ちょっと引きましたよ(笑)。でもその粉を使ってお好み焼きを作ったら、市販の薄力粉と違って、柔らかいというかふんわりとしていました。食感が全然違っていて、これは本当にひいたんだなと。

 うちでは、前からこんにゃくも作っているんです。弟が群馬に住んでいて、コンニャク芋を送ってくれる。それを粉状にして溶かしてから石灰で固めて。すっごくおいしいんですよ。歯触りもいいし。手作りの味を知ってるので、市販のこんにゃくが物足りなく感じています。

 母は「ヤギを飼いたい」と言い出しました。もともと豚は飼っているんです。今度はヤギ……。飼ったことがないから、育てるのが大変なのかどうか分からないけど。もし本当に飼うんだったら、その乳でチーズを作ってもらおうかな。

 私の友達にも、最近、畑を始めた人がいます。この間、葉っぱの付いたニンジンを送ってくれたんです。葉っぱを中華炒めのようにして食べたら、ハーブ的な感じになってとてもおいしかったです。こんな食べ方をしたことがなかったので、新鮮でした。

 はまだ農業に目覚めてはいません。でも食べ物の好みが昔に戻ってきたように、生活スタイル全体がちっちゃい頃みたいになっていく感じがします。そのうち母親みたいに虫も平気になって、野菜作りをやる可能性が大ですね。

 農業は天候に左右されるし、大変な仕事じゃないですか。でも、それをやる若い人が増えてくれたらうれしいですよね。農業を描いたドラマもできればいいと思います。都会でいろいろあって傷心で田舎に戻った女の子が農業の楽しさに目覚め、それを広めていくとか。誰がやったらいいんだろうな。私も出演させていただいて、若い人が農業に興味を持つきっかけに協力できればと思います。(聞き手・写真 菊地武顕)


 あんどう・なつ


 1981年、東京都生まれ。「なつ☆あつこ」「ぷち観音」などでの活動を経て、2012年にカズレーザーと「メイプル超合金」を結成した。一方、ドラマ「ナンシー関のいた17年」「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」に主演するなど、女優としても活躍する。
 

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