口蹄疫 簡易検査30分で キット開発迅速対応へ 農研機構・日本ハム
2019年01月20日
牛や豚の経営に大きな被害をもたらす口蹄(こうてい)疫について、生産現場で約30分あれば簡易検査できるキットを、農研機構と日本ハムが開発した。発生の確定には東京都小平市にある同機構動物衛生研究部門での遺伝子検査が必要だが、このキットで現場で早期に疑いが分かれば、迅速な対応が期待できる。日本ハムは薬事承認を取得。農水省は近く、家畜伝染病予防法に基づく防疫指針を改定し、利用できる環境を整える方針だ。
キットの利用では、口蹄疫で特徴的な症状の水疱(すいほう)が破れた皮を採材。皮をすり潰して付属キットで前処理を行い、試薬の塗ってあるキットに検体を塗る。陽性の場合は20分ほどで線が浮かび上がる仕組みだ。
特別な 機材は不要で、キットだけで判定ができる。
キットは農家や一般の獣医師には販売せず、家畜保健衛生所に供給する。
同省は近日中に、牛豚等疾病小委員会を開き、同キットの判定をどのように運用するか議論する。検討結果は「口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針」に反映し、現場で利用を進める考えだ。
2010年に宮崎県で発生した際には牛や豚など約29万頭が殺処分され、多大な被害をもたらした。早期の判定が可能になれば、対策も迅速にできると見込む。
キットの名称は「NHイムノスティック 口蹄疫」。農水省のイノベーション創出強化研究推進事業で共同開発した。
キットの利用では、口蹄疫で特徴的な症状の水疱(すいほう)が破れた皮を採材。皮をすり潰して付属キットで前処理を行い、試薬の塗ってあるキットに検体を塗る。陽性の場合は20分ほどで線が浮かび上がる仕組みだ。
特別な 機材は不要で、キットだけで判定ができる。
キットは農家や一般の獣医師には販売せず、家畜保健衛生所に供給する。
同省は近日中に、牛豚等疾病小委員会を開き、同キットの判定をどのように運用するか議論する。検討結果は「口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針」に反映し、現場で利用を進める考えだ。
2010年に宮崎県で発生した際には牛や豚など約29万頭が殺処分され、多大な被害をもたらした。早期の判定が可能になれば、対策も迅速にできると見込む。
キットの名称は「NHイムノスティック 口蹄疫」。農水省のイノベーション創出強化研究推進事業で共同開発した。
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全国食品リサイクル連合会が13日、東京都内で開いたエコフィードに関するシンポジウムで、豚コレラも含めた防疫対策が改めて強調された。今回の発生農場には、エコフィードを利用している養豚場があったこと、感染ルートの一つとして飼料輸送が疑われていることもあり、発表者が輸送車両の消毒技術や飼料の衛生的処理方法などを示し、病害の発生源とならないための意識改革が必要だと訴えた。
2019年02月14日

18年産新潟コシ 相対の契約急増 道産代替で引き強く
新潟・一般「コシヒカリ」の2018年産相対取引の契約がハイペースで進んでいる。県内で作柄低下や多収性品種への転換が進んだことによる不足感で、引き合いが強まった。加えて、不作に見舞われた北海道産の代替需要も出ている。未契約分が市中にほとんどない状況で、業者間の取引価格は高騰している。国内トップ銘柄の取引動向を追った。
2019年02月13日

牛肉、酒200億円突破 緑茶も最高更新 18年 農畜産物・加工品輸出
2018年(1~12月)の国産農畜産物や加工品の輸出額で、主力の牛肉や日本酒が初めて200億円の大台を突破したことが財務省の貿易統計で分かった。緑茶も過去最高を更新。アジアや米国など安定市場で需要を広げた。堅調な輸出ペースを加速させるには、輸出規制の緩和や新興市場の開拓が求められる。
18年の農林水産物・食品の輸出総額は前年比12%増の9068億円(速報値)。6年連続で過去最高を更新した。その伸びを牛肉や日本酒、緑茶などがけん引した。
国産牛肉の輸出額は前年比29%増の247億円、輸出量は32%増の3560トンと、共に統計がある1988年以降で過去最高だった。17年9月に輸出が再開した台湾向けが大きく伸びた。金額は41億円、数量は628トンと前年の3倍に達した。東京都内の輸出業者は「多様な部位の食べ方や調理方法が浸透しており、和牛消費が広まりやすい」と話す。
国・地域別では、カンボジア向けが38%増の56億円、45%増の786トンだった。主に冷凍ロインが輸出されている。前年まで首位だった香港に代わり同国向けが金額と数量で共に首位となった。
米国向けは10%増の33億円、13%増の421トンだった。4月に低関税枠の200トンを上回った。
日本酒の輸出額は前年比19%増の222億3200万円で、輸出量は1割増の2万5747キロリットルで共に過去最高だった。大吟醸といった特定の製法や原料基準を満たす高価格帯の「特定名称酒」の輸出が増え、輸出額の伸びが輸出量の増加ペースを上回った。
国・地域別では、米国への輸出額が最大で、前年比5%増の63億円。次いで、香港(38億円)と中国(36億円)が続き、共に35%増と大きく伸びた。日本酒造組合中央会は「今後は欧州連合(EU)など新規市場の開拓が重要になる」と分析する。
緑茶は前年比7%増の153億円で、統計の残る1988年以降で過去最高となった。輸出量は同10%増の5102トンで過去最も多く、初めて5000トンの大台に乗った。国・地域別で最も輸出額が多い米国が前年比15%増の68億円と伸びて全体を押し上げた。
「飲食店のメニューなどで抹茶が定着している」と日本貿易振興機構(ジェトロ)。輸出額1億円以上の17国・地域のうち11で前年を超えた。
花きは前年比5%減の129億円。国が掲げる19年の輸出総額150億円目標から後退した。輸出の9割を占める植木、盆栽類が5%減(121億円)だったことが響いた。全国花き輸出拡大協議会は「需要に見合う国産品の供給が間に合っていない」と指摘する。切り花は3%増の8億8849万円だった。
ジェトロは「輸出をさらに伸ばすには、海外市場で動植物の検疫や放射性物質の規制緩和が進むかが焦点となる」と指摘。また、生産者の所得確保に向けて「商品の付加価値化や、中小事業者の参加を促す視点が要る」と強調する。
2019年02月10日

岩手産ポークの前沢牛入りフランク JA岩手ふるさと
岩手県のJA岩手ふるさとが販売するフランクフルトソーセージ。味に定評のある県産ポークに、地元ブランドの前沢牛を練り込んだ。
県産豚肉の歯応えある食感に加え、前沢牛のうま味が重なり、かむほどに味わい深い本格派のソーセージに仕上がっている。スパイシーなペッパー味と、子どもでも食べやすいプレーン味の2種類がある。
1袋(冷凍)3本入り(1本90グラム)で1260円。JAの「産直来夢くん」や「産直センター菜旬館」、インターネットショップ「奥州うまいもん屋」などで販売している。問い合わせはJA流通販売課、(電)0197(41)5215。
2019年02月15日

豚コレラ 封じ込めへ 1万2000頭殺処分 連日発生の田原市養豚団地
愛知県は14日、一部農場で豚コレラの発生が確認された田原市の養豚団地で、団地内で飼養する全ての豚を豚コレラの疑似患畜とし、約1万2000頭を殺処分することを決めた。同日午前までに発生が確認された団地内の3農場を除き、他の農場の検査結果は陰性だった。ただ、全農場で施設や機材、車両などを共同利用しており、各農場へのウイルス侵入の可能性を懸念。封じ込めを狙い団地内の全農場を防疫対象とした。
農水省の要請を受けた措置。同県の大村秀章知事は、自衛隊の災害派遣要請を決めた。
田原市の養豚場では13日、同県2例目となる豚コレラの発生が確認されていた。14日午前には、隣接する同市の養豚場で発生が新たに確認。いずれも同じ養豚団地内にある。
国の拡大疫学調査チームによる現地調査によると、発生農場を含む養豚団地の全農場は、事務所や堆肥場、豚の死体を保管する冷蔵庫、車両などを共同利用していることが分かった。
県は13日から、2例目の発生農場から半径3キロ圏内の移動制限区域にある33農場で検査を開始。このうち「発生リスクがより高いと判断した」(県畜産課)同養豚団地を先行検査をしていた。
団地内では3カ所を除いて検査結果は陰性だった。ただ、共同利用している施設や機材を通じて各農場にウイルスが侵入している恐れがあるため、団地内の全農場で防疫措置に踏み切った。
一方、2例目の農場から半径3~10キロ圏内の搬出制限区域には、34農場がある。移動制限、搬出制限両区域での飼養頭数は10万頭に上り、県全体の3割に当たる。
昨年秋に発生した豚コレラは岐阜県に集中していたが、今月6日に愛知県豊田市の養豚場とその系列である田原市の養豚場で発生が確認され、子豚の出荷を通じて長野、岐阜、滋賀、大阪の4府県にも広がった。
農水省は感染経路の究明を急いでいる。豚コレラは豚やイノシシの病気で、人に感染することはなく、感染した豚を食べても健康に影響はない。
2019年02月15日
営農の新着記事

「営農再開せず」「未定」計6割に 福島の12市町村調査
東京電力福島第1原子力発電所事故で被災した福島県内12市町村の農業者に対する営農再開調査で、「営農再開の意向なし」と「未定」が合わせて6割に上ることが分かった。東北農政局と福島県、福島相双復興推進機構で構成する福島相双復興官民合同チームが公表した。
同チームが2017年4月から18年12月末まで、12市町村の農業者1429人を個別訪問して意向を聞いた。「営農再開済み」(25%)と「今後、再開の意向」(15%)は合計で40%となる一方、「再開意向なし」45%、「再開未定」15%となった。
調査では、現状抱える課題も聞いた。営農を再開した農業者の課題(複数回答)は「農業機械・施設・家畜・新規作物等導入」が41%、次いで「労働力確保」と「販路や販売単価の確保」が21%となった。今後、営農再開の意向ある農業者の課題(同)として「野生鳥獣の被害防止対策」41%、「用排水路復旧」36%などが挙がった。
再開の意向がない・未定の主な理由は「高齢化や地域の労働力不足」と「帰還しない」がそれぞれ39%、「機械・施設等の未整備」は20%となった。
同チームは市町村などと連携してアンケートを追加実施し、実態を把握した上で、支援を強化する。
2019年02月05日

ウリ科野菜の苗 ロボットが挿し接ぎ 熟練者並み速さ・精度 サカタのタネが発売
ウリ科野菜の苗を、「挿し接ぎ」という手法で接ぎ木するロボットが世界で初めて開発された。この接ぎ木法は、従来の手法に比べて生育向上が見込めるが、作業が難しく、熟練技術が必要だとされていた。ロボットで難しい技術が半自動化できるため、高齢化や人手不足が課題となっている苗生産の現場で活用できる。経験が浅い農業者でも、ベテラン並みのスピードと精度で挿し接ぎが可能だ。サカタのタネが2月、全国に向けて発売した。
2019年02月05日

日本農業賞 大賞に7個人・団体
JA全中とNHKは31日、第48回日本農業賞(全中、JA都道府県中央会、NHK主催)の受賞者・団体を発表した。個別経営の部は、富山県入善町のアグリゴールド矢木、静岡県浜松市の京丸園、愛知県幸田町のマルミファームが大賞を受賞した。集団組織の部は、仙台市の農事組合法人井土生産組合、長野県飯田市のみなみ信州農業協同組合柿部会、長崎県雲仙市の島原雲仙農協雲仙ブロッコリー部会が大賞。食の架け橋の部は、愛知県豊橋市の河合浩樹さんが大賞に選ばれた。
経営や技術の改善に取り組み、地域社会の発展にも貢献する農業者や営農集団などを表彰。食の架け橋の部は、農業者と消費者を結ぶ優れた活動や地域づくりのヒントになる食や農の活動をたたえる。
特別賞は、個別経営の部で栃木県鹿沼市のJB.YASHIKI、集団組織の部で茨城県筑西市のJA北つくばこだま西瓜部会が受賞した。食の架け橋の部は、宮崎県西米良村の小川作小屋村運営協議会だった。
応募は個別経営の部で91件、集団組織の部で95件、食の架け橋の部で32件。審査会(委員長=大杉立東京農業大学客員教授)が選んだ。受賞式は3月9日、東京都渋谷区のNHKホールで開く。
優秀賞などの受賞者・団体は次の通り。
◇優秀賞▽個別経営の部=北ファーム(金沢市、水稲、大麦)カーライフフジサワ(岡山市、水稲、二条大麦)西村鉄舟・綾(長崎県諫早市、カーネーション、ガーベラ)▽集団組織の部=TOKYO X生産組合(東京都八王子市、養豚)JAならけんハウス柿部会(奈良県五條市、ハウス柿)観音池ポーク出荷組合(宮崎県都城市、養豚)▽食の架け橋の部=人と種をつなぐ会津伝統野菜(福島県会津坂下町、野菜)フレッシュ・クラブ(大阪府東大阪市、野菜、水稲)◇奨励賞▽食の架け橋の部=ワインツーリズムやまなし(甲府市、ブドウ)
2019年02月01日
日本農業賞・大賞 喜びの声 感謝…仲間に、地域に
第48回日本農業賞の受賞者が31日、決まった。先進的な経営や技術の改善に取り組み、担い手として地域の発展に貢献している農家や生産部会、法人と、食と農をつなぐ優れた個人や団体を選んだ。大賞受賞者に喜びの声や今後の抱負を聞いた。
個別経営
米+園芸通年雇用 ■アグリゴールド矢木代表・矢木龍一さん(55)=富山県入善町
目標にしていた賞だけに大変うれしい。富山ではあまり盛んではない施設園芸に取り組み、地域では早くから通年雇用を実現した。担い手不足が懸念される中、農業を魅力ある仕事にするため、一層労働環境を良くし、全国の農業経営者が目指す見本になりたい。
▽受賞理由=100ヘクタールを超す水稲に加え、冬場の雇用を確保するため2014年からミニトマトの施設栽培を開始した。17年にはイチゴ栽培にも取り組み、県内の農業法人では初めてグローバルGAP(農業生産工程管理)を取得。一年を通じで収益確保につなげた。
障害者を積極採用 ■京丸園代表・鈴木厚志さん(54)=静岡県浜松市南区
多様な人たちが力を発揮できるユニバーサル農業の取り組みが評価されうれしい。これまで支えてくれた顧客や、活動を後押ししてくれた福祉関係の人たちに感謝している。地元JAとの協力とさらなるブランド化を進めて、これからも全国に安心・安全の野菜を届けたい。
▽受賞理由=障害者や女性の積極雇用を推進。水耕栽培の芽ネギ、ミツバなど主力の小型野菜を中心に20年で売り上げを4倍、4億円に伸ばした。
良質な豚安く作る ■マルミファーム代表・稲吉克仁さん(48)=愛知県幸田町
大賞を頂けて、驚いているとともに、うれしい。父が取り組んできたことを引き継いで続けてきた。設備や機械を社員が頑張って使いこなし、良い成績を上げることができたおかげで評価を得られたと思う。全国の仲間から情報をもらえ、地元の理解もあった。多くの人に感謝したい。
▽受賞理由=繁殖・肥育一貫の養豚経営でリキッドフィーディングの導入、高生産性豚品種への全頭切り替えなどに取り組み、粗利益や出荷枝肉重量などで全国トップクラスの経営を実現。良質な豚を「高く売るより安く作る」という理念で新しい畜産経営を目指す。
集団組織
被災から再生尽力 ■農事組合法人井土生産組合代表理事・鈴木保則さん(58)=仙台市
受賞は大変うれしい。東日本大震災を経て法人の設立後、さまざまな面で支えていただいたJAグループや関係機関、消費者などに感謝したい。今後も周りとの絆を大切にしていく。まだ被災地の農業復興は道半ば。自分たちと同じ境遇の周りの法人との連携も深め、復興に尽力したい。
▽受賞理由=「われわれ15人が集落の農地を守る」という強固な意志で、東日本大震災の津波被害を受けた地域農業を再生。年間売上高1億5000万円にまで発展した。水稲は乾田直播(ちょくは)で多収量を実現。甘さや柔らかさが売りのネギを「仙台井土ねぎ」としてブランド化。6次産業化や消費者との交流にも積極的だ。
「市田柿」品質誇り ■みなみ信州農業協同組合柿部会部会長・常盤昌昭さん(74)=長野県飯田市
受賞は、長い歴史の中で産地を築いてきた農家の先輩方、JA、行政、研究機関をはじめとした多くの皆さんの努力の結晶だ。そうした先人に敬意を払いたい。若手を育成し、「市田柿」を守る使命と責任を部会組織一丸で果たしていきたい。
▽受賞理由=2060人の部会員で、特産干し柿「市田柿」を年間1500トン生産し、販売額は20億円に上る。品種を統一し、収穫時期の目安を設定するなどで原料柿の品質をそろえる。2016年には県内初の地理的表示(GI)保護制度に登録。輸出にも取り組む。
部会一丸後継育つ ■島原雲仙農協雲仙ブロッコリー部会部会長・本多幸成さん(60)=長崎県雲仙市
単価日本一を目指し、部会員一丸となって取り組んできたことが受賞につながった。まだ目標には届いていないが、努力が報われた気持ちだ。部会にはまだ伸びしろがあると思う。後継者やJAと共に、今以上の産地を目指していきたい。
▽受賞理由=部会員51人の半数超がブロッコリー専業農家。生産量は同県産の過半を占める。経営改善の意欲が高く、部会活動は活発。「若手後継者会」の設立や研修生の受け入れ・就農支援を手掛けるなど、若手農家の育成に注力する。
食の架け橋
異業種と連携活発 ■河合浩樹さん(56)=愛知県豊橋市
栽培だけでなく国産レモンの情報発信ができる農家を目指している。連携を評価されての受賞だが、取り組みの最大の背景は、多彩な品目を組み合わせ一年中出荷できる体系を整えた農業経営にある。受賞は関わってくれた人のおかげ。次のチャレンジを見据えたい。
▽受賞理由=異業種連携をする「初恋レモンプロジェクト」を結成し、イベントや多彩な加工品開発を手掛ける。無農薬レモンを30年にわたり栽培し、安定出荷を確立。ミカンオーナー制度や東三河地区の農家と「豊橋百儂人」をつくり地域農業の活性化を進める。
2019年02月01日

豚PMS判定広がる 区別化販売に生かす 開始1年で4400頭以上
昨年1月から始まった豚肉の脂肪交雑基準(PMS)判定を利用する生産者や流通業者が増えている。判定する日本食肉格付協会によると、1年間に4400頭以上で利用された。肉質改良目的や霜降り肉の優位性を高める狙い。国内市場で輸入豚肉の攻勢が強まる中、同協会は「国産の肉質を生かした区別化販売につなげてほしい」と話し、活用を呼び掛ける。
2019年01月30日
栄養成分分析できます 表示義務化に低価格で対応 大阪府立環境農林水産総研
大阪府羽曳野市にある府立環境農林水産総合研究所が、簡易分析器を活用し、農産加工品などの栄養成分の分析サービスを行っている。食品表示法で義務化された一般用加工食品の栄養成分表示の経過措置期間が2020年3月末で終了することを踏まえた取り組み。地方独立行政法人が同様のサービスをするのは全国でも珍しいという。昨年10月に始めてからの分析件数は15件だが、経過措置期間の終わりに向けて、ニーズが高まる見通しだ。
2019年01月29日
農作業事故「把握」37% JAの取り組み調査 啓発活動浸透も… 計画策定は32% 全中
JA全中は28日に農水省が開いた農作業安全に関する会議で、JAグループの取り組み状況を報告した。「農作業安全年間取組計画」を策定したり、農作業事故発生状況の把握をしたりするJAはまだ4割以下にとどまっていることが分かった。全中は「今後、しっかりやっていくよう提起したい」と農作業安全への一層の取り組みを促した。
2019年01月29日
口蹄疫 簡易検査30分で キット開発迅速対応へ 農研機構・日本ハム
牛や豚の経営に大きな被害をもたらす口蹄(こうてい)疫について、生産現場で約30分あれば簡易検査できるキットを、農研機構と日本ハムが開発した。発生の確定には東京都小平市にある同機構動物衛生研究部門での遺伝子検査が必要だが、このキットで現場で早期に疑いが分かれば、迅速な対応が期待できる。日本ハムは薬事承認を取得。農水省は近く、家畜伝染病予防法に基づく防疫指針を改定し、利用できる環境を整える方針だ。
キットの利用では、口蹄疫で特徴的な症状の水疱(すいほう)が破れた皮を採材。皮をすり潰して付属キットで前処理を行い、試薬の塗ってあるキットに検体を塗る。陽性の場合は20分ほどで線が浮かび上がる仕組みだ。
特別な 機材は不要で、キットだけで判定ができる。
キットは農家や一般の獣医師には販売せず、家畜保健衛生所に供給する。
同省は近日中に、牛豚等疾病小委員会を開き、同キットの判定をどのように運用するか議論する。検討結果は「口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針」に反映し、現場で利用を進める考えだ。
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キットの名称は「NHイムノスティック 口蹄疫」。農水省のイノベーション創出強化研究推進事業で共同開発した。
2019年01月20日
米粉用で多収品種 難消化性でんぷん豊富 ダイエット食材に 秋田県立大など
秋田県立大学などが、多収で消化しにくいでんぷん(難消化性でんぷん=RS)を含む新たな米粉向け品種「あきたさらり」を育成した。10アール当たり収量が800キロ程度と多収で、栽培コスト低減が期待できる。RSの含量は3%で、「あきたこまち」の3倍以上と多い。ダイエットなど健康志向の消費者にPRできることから、県内企業と、同品種の米粉を使ったうどんなどの商品開発を進めている。
「あきたさらり」は同大と県農業試験場、国際農林水産業研究センター(JIRCAS)などが育成。2018年秋に農水省に品種登録出願を申請し、出願が公表された。
米粉は製粉費用がかかるが、多収で栽培コストを下げることでカバーする。熟期は「あきたこまち」より1週間遅く、作業分散が期待できる。
同大と企業の共同研究で、米粉を小麦粉に20%ほど混ぜてうどんを作ると、腰が強く、ゆでた後もべたつきにくい麺が作れることが分かった。「あきたさらり」はアミロース含量が高く、大粒で米粉適性が高い。
同大生物資源科学部の藤田直子教授は「小麦アレルギーの人向けに、グルテンフリーのうどんなども作れる可能性がある。水田転作にも役立つ」と期待する。現在の栽培面積は約1ヘクタールだが、さらに拡大する見込みだ。
2019年01月18日

19年産米「目安」 0・5~0・7%減 1・2%以上減は26府県
全国45道府県の農業再生協議会などが設定する2019年産米の生産量の「目安」が17日、出そろった。合計は前年比0・5~0・7%減で、農水省が示している適正生産量の減少幅(1・2~2・3%減)には届かなかった。適正生産量に合わせて、前年より1・2%以上減らすのは26府県だった。
2019年01月18日