[未来人材] 35歳。 きのこ栽培、ジビエ販売、生態調査 里山の宝 フル活用 有本勲さん 石川県白山市

野生動物の居場所を把握するための携帯用アンテナを持つ有本さん(石川県白山市で)

 白山麓で暮らす石川県白山市の有本勲さん(35)は、きのこ栽培やジビエ(野生鳥獣の肉)の加工・販売、野生動物の生態調査など里山の資源をフルに生かし事業を展開する合同会社「山立会(やまだちかい)」の代表。地域では数少ないIターン移住者で「過疎化が進む地域の価値を創出したい」と張り切る。

 山口県出身。6歳から12年間、関西圏で暮らした。進学した東京農工大学ではツキノワグマの研究に没頭。個体に衛星利用測位システム(GPS)の発信機を付け移動経路を追跡するため、学生時代の大半を東京の奥多摩や富山の北アルプスなどで過ごした。「周りは都会の暮らしを謳歌(おうか)していた頃、無我夢中で山中を駆け巡っていた」と笑顔で振り返る。

 「学んだことを役立てたい」と博士課程を修了した28歳の時、就職先の石川県白山自然保護センターがある同市へ移住。地元の法人でイノシシなどの食肉処理や猟銃の手ほどきを受けた後、33歳で起業した。

 独立し、収入が不安定な中、注目したのが廃棄されていたイノシシの腹部の脂だった。化粧品メーカーの協力でハンドクリームを商品化。地元マスコミが注目し、同会の認知度が一気に高まった。高齢化で事業継続を断念した地元のナメコ生産組合から昨年、栽培と販売を承継。年間35トン生産し、今ではこの事業が経営の柱だ。

 従業員2人を雇用し、今年度の売上高は1600万円を見込む。「3年後には売上高を1億円に乗せ、10人程度雇用したい。いずれは白山麓で培ったノウハウを他地域でも生かし、全国の里山を元気にしたい」と夢が膨らむ。(前田大介) 
 

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