[ここに技あり] 小型トラクターに培土機応用 神奈川県相模原市 笹生剛さん
2019年01月29日


自作の培土機を操縦する笹生さん(上)とコンクリートブロックを取り付けたアタッチメント部分
作業時間4分の1に
神奈川県相模原市などで農園レストラン「栗の里」を経営する笹生剛さん(41)は、所有している10馬力の小型のトラクターに、使わなくなった培土機の部品を取り付け、自作の培土機を作った。畝立て作業が、手押しの培土機より体力を温存しながらできる。10アール当たりの作業時間が従来の4分の1の15分ほどに短縮した。
笹生さんは、レストランで使うキャベツやハクサイ、トマトなど約20種類の野菜を1・3ヘクタール、米も2・5ヘクタールで作っている。開店前や、ランチとディナーの間の時間など、1日1時間ほどの限られた時間の中で農作業をしており、効率的な作業が必須となっている。
「畑で歩くのは嫌い」と話す笹生さん。もともと右足の付け根が弱いこともあり長時間歩くと痛みが出るという。レストランでも接客などの立ち作業が多いため足腰への負担が大きく、農作業では、なるべく体力を使わないことがモットーだ。
効率的に体力を使わずに営農する上で、注目したのは畝立て作業だ。規模を拡大しようにも、手押しの機械では10アール作業するのに1時間ほどかかる。もっと楽に作業する方法はないかと常に考えていた。そんな時に、友人から「培土機の部品がいらなくなった」という話を聞き付けた。所有しているトラクターに装着すれば、コストをかけずに楽に畝立てができるかもしれないとひらめいた。
培土機の作り方は簡単だ。中古の培土機のアタッチメントを、ボルトを使いトラクターに固定する。また、畝立てをする際に、畝を形成する刃がしっかりと地面に接着するように、アタッチメントに重りを取り付ける。重りは、試行錯誤の結果、10キロのコンクリートブロック二つを使用。ブロックはホームセンターなどで購入できる黄色と黒色の標識ロープを使い、アタッチメントに固定するのが耐久性が高くお薦めだという。
笹生さんは「畝立ての深さやトラクターの規格や性能に合わせて重さは微調整してほしい」とアドバイスする。
今後は培土機に除草の機能を付ける他、収穫機の開発にも夢を描く。笹生さんは「お金をかけずに農作業を効率的に行えるアイデアを形にしていきたい」に意気込む。
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https://www.youtube.com/watch?v=gq0qWd209S4
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愛知県は13日、田原市の養豚場で豚コレラの新たな発生を確認したと発表した。県内の豚での感染は6日の豊田、田原両市に次いで2例目。当該農場は、先行して発生が確認されていた田原市の農場と同じと畜場を使っており、監視対象農場となっていた。ただ、同県農政課によると、疑似患畜が確認される前の段階では異常がなかったため、当該農場は所定の手続きを経て、12日に豚をと畜場に出荷していた。
県は12日午後2時すぎ、同市の養豚場から豚に食欲不振などの症状が見られると報告を受けた。家畜保健衛生所による精密検査の結果、13日午前8時、疑似患畜を確認。当該養豚場の飼養頭数は1180頭。同日に殺処分を始め、18日をめどに防疫措置を完了させる予定だ。
今回の発生農場と、6日に疑似患畜が出た田原市の農場は、5キロ以内に位置する。両農場とも豊橋市のと畜場を使っていたため、県は9日、発生農場を監視対象農場に指定していた。
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農水省は「臨床検査や、体温検査など必要な対応をしっかりととっていたのであれば問題ない」(動物衛生課)としている。
現時点の監視対象農場は、愛知県内だけで107農場、全国では11府県、181農場に上る。
田原市の飼養頭数は2016年時点で10万5000頭。市町村別の豚の産出額は88億円で全国10位の産地となっている。
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2019年02月13日
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2019年02月16日

特産オレンジ ヤフーと販売 西日本豪雨の被災地、JAえひめ南と宇和島市
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同市は全国屈指のかんきつ産地。中でも、果肉が赤く独自の甘さと酸味を持つブラッドオレンジは日本一の生産量を誇る。昨年7月に発生した西日本豪雨で同市は、農地の崩壊など甚大な被害に見舞われた。
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この他、ヤフーはネット募金を開始し被災した農家らを支援。同市と災害に関わる情報発信に関する協定も締結した。
2019年02月13日

五島三菜 長崎・JAごとう
長崎県のJAごとうが販売する五島に伝わる健康食品。新鮮なダイコン、ニンジンを天日干しで乾燥させ、ヒジキと手作業で混ぜ合わせてある。
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2019年02月13日
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「かんずり」は、塩漬けの地元産トウガラシを雪上に4日ほど放置してあくを抜き、塩やこうじ、ユズと一緒に漬け込んで3年間熟成させて作る。まろやかな辛味が特長で、地元では鍋物料理の薬味などに使う。
同市の製造会社、かんずりでは、1月20日から従業員が雪さらし作業を始め、会社近くの農地にトウガラシをまいている。2月末までに計10トンをさらす予定だ。
同社は今年、地元の鉄道会社と連携して雪さらしを体験できるツアーも始め、観光資源としての活用も進める。東條昭人社長は「雪深い地域の風土が生んだ辛さをぜひ味わってほしい」と勧める。(富永健太郎)
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2019年02月11日

[ここに技あり] 小型トラクターに培土機応用 神奈川県相模原市 笹生剛さん
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笹生さんは、レストランで使うキャベツやハクサイ、トマトなど約20種類の野菜を1・3ヘクタール、米も2・5ヘクタールで作っている。開店前や、ランチとディナーの間の時間など、1日1時間ほどの限られた時間の中で農作業をしており、効率的な作業が必須となっている。
「畑で歩くのは嫌い」と話す笹生さん。もともと右足の付け根が弱いこともあり長時間歩くと痛みが出るという。レストランでも接客などの立ち作業が多いため足腰への負担が大きく、農作業では、なるべく体力を使わないことがモットーだ。
効率的に体力を使わずに営農する上で、注目したのは畝立て作業だ。規模を拡大しようにも、手押しの機械では10アール作業するのに1時間ほどかかる。もっと楽に作業する方法はないかと常に考えていた。そんな時に、友人から「培土機の部品がいらなくなった」という話を聞き付けた。所有しているトラクターに装着すれば、コストをかけずに楽に畝立てができるかもしれないとひらめいた。
培土機の作り方は簡単だ。中古の培土機のアタッチメントを、ボルトを使いトラクターに固定する。また、畝立てをする際に、畝を形成する刃がしっかりと地面に接着するように、アタッチメントに重りを取り付ける。重りは、試行錯誤の結果、10キロのコンクリートブロック二つを使用。ブロックはホームセンターなどで購入できる黄色と黒色の標識ロープを使い、アタッチメントに固定するのが耐久性が高くお薦めだという。
笹生さんは「畝立ての深さやトラクターの規格や性能に合わせて重さは微調整してほしい」とアドバイスする。
今後は培土機に除草の機能を付ける他、収穫機の開発にも夢を描く。笹生さんは「お金をかけずに農作業を効率的に行えるアイデアを形にしていきたい」に意気込む。
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2019年01月29日

皮むかずに果実ジュース 搾汁機「CAJYUTTA」好調 長野県諏訪市金属加工会社
1900台販売 JAも活用
皮をむかずにジュースが飲める――。果実に開けた穴から果肉に差し入れた細長い板を回転させて果汁を搾る搾汁機「CAJYUTTA(カジュッタ)」が注目されている。金属、プラスチック精密加工業のヤマト(長野県諏訪市)が開発し、国内外の飲食店やホテルなどに、これまで約1900台を販売。導入したJAは、Aコーでのジュース販売やPRイベントなどで活用している。
果実の形状を壊さず、器として使うのが特徴。皮に厚みがあるかんきつ類や、小玉スイカなどに最も適する。
電動で、高さ55センチ、重さ8・5キロ。まず、ジュースを搾る果実のへたの部分に、直径2センチほどの穴を開ける。長さ約10センチのチタン合金製の3枚の板が付いたヘッド部を穴から果肉に差し入れる。内部でしならせて広げながら、果肉の大きさや固さに合わせて30~60秒回転させる。果肉を内側から皮に押し付けるように果汁を搾る。板を閉じて穴から抜き、ストローでジュースを飲む。搾った果汁が空気に触れないので酸化が進まず、えぐみのない果物本来の味を楽しめる。
北海道のJA夕張市はAコープに設置し、夕張メロンを使って生ジュースを提供。愛媛県のJAえひめ南は、特産のかんきつ類を県内外でPRするイベントで活用する。
同社が地元の商工会議所や大学と共同開発し、2013年に発売。希望小売価格は1台26万7840円。当初3色だったカラーバリエーションを18年から7色に増やし、設置する店の雰囲気に合わせられるようにした。同社の渡辺高志社長は「瀬戸内レモンのような高品質の国産果物に応用し、付加価値の高い新商品を提案してほしい」と話す。
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2019年01月08日

中山間地で自動運転 ミカン載せ選果場へ 実用実験が加速 高齢者の移動 農作業効率化 福岡県みやま市
電動カートが自動でミカンを運ぶ──。中山間地で自動運転の実用実験が加速している。農産物の集荷や運搬に活用し、農作業の省力化を目指す。高齢化が進む地域では「数十年後を考えると軽トラックなどに代わる代替輸送手段は不可欠」と期待を高める。
「JAの選果場までお願いします」
福岡県みやま市伍位軒集落のミカン農家、北原秀文さん(65)がジュース用のミカン9コンテナ(182キロ)を小型運搬車に積み込む。すると集落から約6キロ離れたJAみなみ筑後の山川選果場まで、電動の自動カートがミカンを積んだ運搬車をけん引して運ぶ。
自動運転に使うのは、ゴルフカート型のヤマハ発動機製の6人乗り電気自動車(EV)。実験のため1度に運べる量は12コンテナ(200キロ)とまだ少量。だが、「新技術の導入は高齢化の進む農村にこそ必要だ」(北原さん)と期待は大きい。
同集落は県のブランドミカン「北原早生」の発祥地。市場評価も高く、販売は順調だが、高齢化で毎年部会員が10人は引退する。
国土交通省は高齢化が進む中山間地の交通や物流を確保するため、道の駅などを拠点に2017年度から実証実験を始めた。全国13カ所で短期実験を進め、みやま市など一部が長期実験に入った。
車両は道路に埋めた電磁誘導線に沿って、磁力を検地しながら既定のルートを走行する。自動運転時の最高速度は時速12キロ。停車場や交差点に埋め込まれた無線ICチップを感知して、減速したり停車したりする。路上駐車をよける場合などは手動運転に切り替える。現行の法律では公道での無人運転はできない。実験では運行オペレーターが同乗して選果場まで行き、ミカンを降ろした。
同市は高齢者の移動や農産物の集荷に自動運転が活用できればと実験に手を上げた。JA選果場の東原弘幸場長は「自動運転での運搬が一つの方法として将来的に確立されれば、農家の省力化になる。自動運転で生産に集中できれば規模拡大にもなる」と話す。
今後は熊本県芦北町でのデコポンの運搬などでも実証実験を進める。
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2019年01月04日

[営農ひと工夫] 掘り取り機で除石 ローラー部の棒2倍に 長野・上田市
長野県上田市の元旅館経営者、斎藤兵治さん(80)は、芋類などの掘り取り機を改良し、土中の小石を地表にかき出す農機具を作った。畑の石は、放置すると作物の根の成長を妨げる。除去には、高価な大型除石機を導入するか、手作業に頼るしかない。地元農家には「骨が折れる石取り作業が楽になった」と喜ばれている。
このアイデア農機は、歩行型耕運機に取り付けて使う、市販の掘り取り機をベースに製作した。元の掘り取り機には、芋など掘り出した作物を載せるローラー部に、直径6ミリの鉄の棒が32ミリ間隔で30本ほど並ぶ。改良では、この棒の間に新たに同じ太さの棒を溶接して本数を倍にした。間隔は13ミリに狭まった。鉄の棒はホームセンターなどで市販のものが使える。長さはローラー部の幅と同じ40センチ程度。溶接時に棒を等間隔にする必要がある。
歩行型耕運機に掘り取り機を取り付け、通常と同じ作業をするだけで、土の中にあった13ミリ以上の大きさの石が出てくる。かき出した石は、斎藤さんが考案した鋤簾(じょれん)などの道具でまとめて取り除く。
同市の農業生産法人信州せいしゅん村の小林一郎代表(67)が「根菜作りの邪魔になる石を、楽に取り除けないものか」と、数々のアイデア農機を生み出した斎藤さんに相談したことがきっかけ。試行錯誤を重ね、3年をかけて今秋に完成させた。小林さんは「この機械を使えば、石取りの手間は 5分の1くらいで済みそう」と感謝する。
斎藤さんは、旧知の農家らの要望に応え、作業しやすいよう工夫を凝らした草刈り機や、あぜを整える農機など、これまで30種以上の農機具を考案している。機械整備の技術や知識は、仕事を通じて身に付けたという。「今後も大手メーカーにはないアイデアで、力になっていきたい」と話す。
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2018年12月26日

[あんぐる] 豊穣の神 ズンッと一歩 ひょうたん祭り(大分県豊後大野市)
大分県豊後大野市の千歳町で毎年12月の第1日曜日に、五穀豊穣(ほうじょう)などを願う「ひょうたん祭り」が開かれる。赤い衣装と特大のわらじを身に着け、お神酒入りのひょうたんを腰に下げた奇抜な姿の神様が練り歩き、住民らと来年の豊作を願う。
主役の神様は「ひょうたん様」と呼ばれる。わらじは、その年の当番の集落住民が今年刈った香りもち米のわらで編む。毎年、競って大きなものを作るうち巨大になり、今年は長さ1メートル、片足分の重さが15キロになった。
2日の午後1時半。柴山八幡社そばから、ひょうたん様が約50人の隊列を従えて出発。約1キロを2時間ほどかけて進んだ。巨大なわらじは、歩みに合わせて従者役の住民が綱で引っ張った。
道中では地域住民や見物客が、縁起物のお神酒をもらおうと行列に近づいた。ひょうたん様は「五穀豊穣になる酒じゃあ」などと声を上げて注いで回り、この日は合わせて10升(18リットル)を振る舞った。
行列のみこしが柴山八幡社に着くと、祭りは終わった。ひょうたん様を務めた会社員、益永英勝さん(69)は「自分も酔いが回り、最後は足が上がらなかった。一世一度の大役をなんとか務められた」と喜んでいた。
この祭りは、一説には鎌倉時代の初期に始まったと伝わる。千歳町辺りが戦乱で荒廃した際、この地に宇佐八幡神を迎えようと催した行事が起源とされる。
市歴史民俗資料館によると、ひょうたん様の赤い着物は神話に登場する神、猿田彦を模したものという。1962年には県が選択無形民俗文化財に指定した。
今年、「座元」と呼ばれる祭りの責任者を務めた農家、尾石則明さん(65)は「集まった人の笑顔を見ると、来年の作柄も期待できると感じた」と話した。(木村泰之)
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2018年12月09日

[活写] スコップ競演 新境地耕す
金属スコップを使った新たな打楽器「スコップドラム」を秋田県大仙市の農家、佐藤誠さん(72)が編み出した。演奏会などで仲間が鳴らす「スコップ三味線」との競演を楽しんでいる。
カウンター用の椅子を加工してスタンドを作り、4本のスコップを柄ごとセット。もう一つの先端部分だけをシンバル状に取り付け、本格的なドラムセットに近づけた。ばちでたたくと、甲高い金属音が響く。
佐藤さんは7年前から仲間とスコップ三味線を楽しむ中で「太鼓にもなる」と発想。今年2月に試作して改良を重ねた。3分ほどで組み立てられる。
12月2日に青森県五所川原市で行われる「第12回津軽すこっぷ三味線世界大会」でも、スコップドラムが登場する予定。佐藤さんは「たかがスコップ、されどスコップ。これでしか出せない音を響かせたい」と話す。(富永健太郎)
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2018年11月29日

[活写] 味もピカいち 「ころ柿」ライトアップ
山梨県甲州市松里地区の果樹農家、小嶋健さん(64)が乾燥中の干し柿「ころ柿」をライトアップし、地域特産をアピールしている。
小嶋さんは20アールで「ころ柿」になる「甲州百目」などを栽培。自宅の干し場に、数珠つなぎでつるした約8000個分の“柿すだれ”を午後5時から同8時すぎまで、5灯で照らす。車庫の屋上にあるため、沿道からオレンジ色の柿が夜空に浮かぶように見える。昨年から始め、観光バスが立ち寄るなど注目を集めている。
JAフルーツ山梨によると、今年の「ころ柿」出荷量は昨年の8割増の98トンと見込んでいる。(木村泰之)
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2018年11月26日

[e農スマートアグリ] 人に追従100キロ運搬 収穫物や肥料 台車型ロボ始動
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充電1回で8時間
大阪市で自動車部品の製造などを手掛ける中西金属工業や、阪南市で水ナスを栽培する草竹農園、慶応義塾大学大学院、阪南市で食品の加工・販売などをするJAPAN総合ファームが5年ほど前から、共同で開発を進めてきたもの。
アグビーは、台車部、畑に設置して土壌の状態を調べるセンサー部、情報を蓄積・分析するサーバー、情報を閲覧するスマートフォン用アプリで構成する。価格は検討中だが、「300万円以下を想定している」(中西金属工業)という。
台車は、「リモコン操作」と、人の後をついてくる「追従」、決められたルートを走行する「自律走行」の三つのモードが利用できる。重さは120キロ。全長1メートル14センチ、高さ54センチ、クローラーの幅は45センチ。充電時間は3、4時間。移動速度は時速5キロほどで、畦畔(けいはん)も乗り越えられる。車体の色や柄は、自由に選べる。
水ナス農家が活用
土壌分析や経営改善には、センサーやアプリを利用する。畑の土壌の水分量や温度、水素イオン指数(PH)などを計測。台車部で収穫量や収穫位置などを把握し、収穫量が多くなる条件などを分析できる。収集した情報はスマホで確認でき、アグビーの利用者間で共有することもできる。
農業現場での試験導入として、20日からJA大阪泉州管内の水ナス農家23人が利用を始めた。半年以上の時間をかけて性能などを評価してもらう。貝塚市で水ナスなどを栽培する川崎貴彦さん(37)は「重い肥料の運搬などで使ってみたい」と期待。中西金属工業アグリイノベーションチームの木村光希チームリーダーは「アグビーで農作業の負担を減らし、少しでも農家の時間のゆとりにつながればうれしい」と話していた。
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2018年11月23日

[活写] 急斜面 軽々 刈るズラー
長野県岡谷市の精密部品加工会社、牛越製作所が、安価で普及しやすい無線操縦式畦畔(けいはん)除草機の開発に挑んでいる。
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現在、最も有望な機体を「カルズラー」と名付け、実用化に向けた試験を重ねている。独自開発のクローラーで進みながら、ガソリンエンジンで回る四つの回転刃で除草する。車体は長さ110センチで幅65センチ、重さ65キロで、軽トラックで運べる。長さ50メートルの畦畔を最短15分で除草できる。
開発を担当する同社の阿部正隆さん(54)は「危険な除草作業を、技術で楽にしたい」と力を込める。早ければ来年秋にも発売する予定だ。(染谷臨太郎)
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2018年11月18日