日欧EPA発効 動きだす二大協定 国内市場に荒波

 欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)が1日、発効した。将来的に農林水産物の82%の関税を撤廃。チーズ、豚肉など重要品目の関税も削減される。昨年発効した環太平洋連携協定(TPP)に匹敵する大幅な自由化となり、一部の品目はTPPを上回る水準を受け入れた。相次ぐ大型協定の発効で、農産物輸入の荒波が押し寄せる。

 1日午前0時に発効し、農林水産品の54%の関税が即時撤廃。輸入関税の削減や輸入枠は発効時に1年目、4月から2年目に入り、2020年以降は毎年4月に切り替わる。1年目は2カ月間のため、輸入枠は協定上の数量の6分の1。

 焦点だったチーズは、カマンベール、モッツァレラなどソフト系が多種類をひとくくりにした輸入枠を設け、枠を段階的に拡大しながら枠内関税を削減・撤廃する。16年目には3万1000トン(製品換算)が無税。チェダー、ゴーダなどのハード系は関税を段階的に削減し、16年目に撤廃する。

 豚肉は高価格帯にかける従価税、低価格帯にかかる従量税をそれぞれ段階的に削減。10年目には従量税50円だけになる。差額関税制度は維持した。牛肉はEU側の関心が低かったが、TPPと同様に9%までの関税引き下げを受け入れた。

 ブランドに強みがあるEU産品では軒並み関税を撤廃する。ワインは即時、パスタやチョコレートは11年目に撤廃する。

 農水省は、最終的に農林水産物の生産額が最大1100億円減少すると試算。うち農産物は同686億円で牛豚肉・牛乳乳製品で9割を占める。

 同省は日欧EPA対策として、チーズ向け生乳の品質向上に取り組んだ酪農家に1キロ当たり最大15円の奨励金の支払いを実施。畜産クラスター事業などTPPと合わせた国内対策で、18年度第2次補正予算案には3188億円を盛り込んだ。

 EUへの輸出は、政府が重点品目とする牛肉や茶など、ほとんどで関税が即時撤廃される。発効と同時に、地理的表示(GI)で日本の48産品、EUの71産品を相互に保護する。

 日欧EPAは13年に交渉が始まった。17年7月に大枠合意し、12月に妥結。18年7月に両首脳が東京都内で署名した。

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