日欧EPA発効 チーズ脅威 「地域酪農、乳価は…」 北海道七飯町

日欧EPAの発効による国内乳製品市場への影響を懸念する山川さん(北海道七飯町で)

 日本とEUとのEPA発効では、ソフト系チーズが最終的に枠内無税となるなど、乳製品が過去最大の自由化となる。北海道の酪農家や乳業メーカーが不安を募らせる。北海道内は国内の生乳生産の半分以上を担い、そのうち8割ほどが乳製品向けで、競合する。TPP以上の市場開放が国内のチーズ市場へどう影響するのか。予断を許さない。品質向上などで海外産との差別化する動きも進む。

 七飯町で2015年からフレッシュチーズなどの製造・販売を始めた山川牧場自然牛乳の山川明さん(59)は「EU産のチーズは脅威。乳質を維持し、さらに独自製品の開発を進めていくしかない」と対抗策を練る。

 乳牛約140頭のうち、2割ほどが乳脂肪分が豊富で濃厚な生乳を出すジャージー種。乳質の高さを売りに牛乳やソフトクリーム、チーズで差別化してきた。今後、同社でしか作れない熟成チーズを製造するなど対応を構想する。

 道内の酪農家は生産基盤の維持・拡大に向け、規模拡大を進めている。ただ、建設コストや資材価格などが高騰しており、負債は億単位に上るケースが相次ぐ。

 山川さんも近い将来、牛舎を更新して200頭規模にしたい考えだが、EPA発効による将来の経営に不安は拭えない。日欧EPAの発効で「海外産乳製品との価格競争にさらされ、地域酪農や乳価などへの影響が心配だ」と懸念を示す。

 乳業メーカーも不安をあらわにする。道産生乳100%で業務用プロセス原料チーズを販売するよつ葉乳業は、「影響は不透明だが、中長期的には乳製品の国内相場が下がるだろう。影響を受ける製品群は多い」(総務広報グループ)とみる。チーズなど業務用乳製品の品質向上や、家庭向け牛乳・乳製品の拡大などで対応していく考えだ。(川崎勇)
 

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