[メガFTA] 日欧EPA発効 国内打撃どう回避 国会論戦 影響見極め焦点

 欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)が発効したことを受け、今通常国会は、国内農業にどのような影響が出るかが大きな論点となる見込みだ。政府・与党は輸出による販路拡大に期待しつつ国内対策を重視する。一方、野党は大幅な市場開放を受け入れたチーズなど国内農業への打撃を懸念。政府・与党を追及する構えで、激しい論戦が見込まれる。

 協定発効によって、EUへ輸出される日本の農林水産物の関税は、輸出重点品目の緑茶や牛肉などを含め、ほとんどの品目で即時撤廃された。吉川貴盛農相は1日の閣議後会見で、輸出拡大に「大いに期待している」と強調。「農林漁業者の不安や懸念にしっかり向き合う」と体質強化策などに引き続き取り組む考えを示した。

 自民党TPP・日EU・日米TAG等経済協定対策本部長を務める森山裕国会対策委員長は「大きな商圏ができ、輸出に道を開く」と指摘。農林水産物の輸出拡大へ検疫協議を急ぐ必要があるとの認識を示した。半面、「酪農をはじめ農家の足腰を強くする政策をさらにやらなければならない」と強調した。

 公明党TPP等総合対策本部長の石田祝稔政調会長は「自由貿易を守るわが国のスタンスは世界的に評価されるところだがプラスとマイナスがある」と指摘。「影響を見極め、しっかり手当てする必要がある」と述べた。

 日欧EPAではソフトチーズなど環太平洋連携協定(TPP)を超える市場開放に踏み切る品目もある。ただ、政府は国内対策により生産量への影響はゼロとしている。

 こうした状況に対し「過小に見積もり過ぎ。実態を踏まえていない数字は、影響をさらに大きくする」とみるのは、立憲民主党の佐々木隆博副代表。党として引き続き国会で試算の妥当性などを追及していく考えを示した。「現場は安倍政権の農政改革と過度な貿易自由化で疲弊している」と訴える。

 日欧EPAやTPPの国内対策として、規模拡大を重視する安倍政権の農政の方向性も改めて論点となりそうだ。国民民主党の篠原孝元農水副大臣は「貿易自由化や農業経営の拡大一辺倒の路線は、各国で行き詰まっている」と警鐘を鳴らす。「国としての根本的な価値観を変えなければいけない」と強調する。 
 

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