[未来人材] 36歳。第三者継承で夢の酪農家 放牧は至福の風景 山田俊宏さん 岡山県真庭市

放牧酪農を営む山田さん家族(岡山県真庭市で)

 岡山県真庭市の百合原牧場代表の山田俊宏さん(36)は、雪深い同市で唯一、ジャージー牛約80頭の放牧酪農を行う。愛知県出身で、実家は農家ではない。苦手だった動物を克服するきっかけをくれた乳牛が伸び伸びと暮らせる放牧を志し、第三者経営継承で農家という夢を実現した。

 高校生の時、両親と手掛けたプランター菜園で農業に興味を持った。憧れの北海道で農業を学ぼうと、国立の帯広畜産大学に進学した。

 動物が苦手で、犬や猫も触れない。それでも、初めて身近で見る乳牛に「面白そう」と、分娩(ぶんべん)後や病気の乳牛を世話するサークルに参加した。ふん出しなど力作業も多く大変だったが、「牛は温厚で怖くない。好き」と、動物自体への苦手意識がなくなった。

 サークルで放牧酪農を見学した。“絵になる風景”に感動を覚えた。いずれは牧場を経営することを夢見つつ、岡山県西粟倉村で経験のため、道の駅の運営などを1年間手伝った。紹介を受けた酪農ヘルパーでの3年間の働きが認められ、2011年に事業継承した。

 冬季には雪が降るため、毎年5、11月に牛舎と放牧地の間4キロの引っ越し作業を行う。苦労も多いが、念願の放牧酪農。「牛がおいしそうに草をはむ姿を見るのが、至福の時」と山田さんはほほ笑む。

 18年には研修に来ていた咲さん(22)と結婚。長男、時夢君にも恵まれた。咲さんは人工授精の受胎率向上と、性判別精液の活用で黒毛和種の受精卵移植にも意欲を示す。経営面でも頼れるパートナーと共に、放牧のある風景を描いていく。(柳沼志帆) 
 

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