福井豪雪から1年 再建の歩み鈍く… 全国で災害、業者不足 ハウス復旧は3、4割

「いつ完成するのか」といら立ちをあらわにする福岡さん(福井県鯖江市で)

 1000棟以上の農業用ハウスが被害を受けた福井豪雪から1年が経過した。約10億円に上る農業被害を受けた福井県では、今でも未着工の農業用ハウスが目立つ。県内全体のハウス被害の約3割を占めた坂井市の復旧率は、2018年12月末時点で3、4割にとどまるなど、営農再開に向けた歩みは鈍い。施設を建て直すにも作業員不足が常態化しており、「いつから満足した営農ができるのか」と農家は頭を抱える。(前田大介)
 

定植できずいら立ちも


 県によると、県内全体で被災したハウスは1075棟(昨年1月の被害含む)。このうち740棟余りが完成済みか再建中のハウスで「現時点で完成した棟数は把握できていない」(県生産振興課)という。

 県内の自治体で最多375棟のハウスが被害を受けた坂井市の復旧率は3、4割だ。被害を受けた中には水稲の育苗ハウスもあり、今後の米生産に影響が出ないよう、市は「JAと連携し施行業者に『早く造ってほしい』と要望している」(農業振興課)と話す。

 「いつ完成するのか」。15アールのビニールハウスが倒壊した鯖江市でイチゴやミディトマトなどを栽培する園芸農家、福岡弘己さん(56)は未完成のハウスを見ていら立ちをあらわにする。

 豪雪で所有する22棟のうち6棟がつぶれ、建物だけで1000万円近い損害が出た。10月ごろにハウスの建設が始まったが、いまだ完成に至っていない。「県内の施行業者は数が少なく、いつも忙しそうに飛び回っている。人手が足りていれば、とっくに定植していたのに……」と嘆く。

 福井市の農業用ハウス施行業、モリシタは豪雪から1年たった今もハウス建設に追われる。依頼が増えだした昨年6月には、見積もりさえ一時、数カ月待ちという忙しさだった。人員不足で県外にも応援を求めるも、大規模な豪雨や台風、地震が全国で相次いだことも重なり、思うように集められなかったという。

 従業員や県外からの応援なども含め約20人で100棟近くは完成させたが、未着工もあり、3月上旬まで予定が埋まっている。森下幸蔵代表は「農家の気持ちは痛いほど感じる。もう少し待ってほしい」と語る。
 

<メモ>福井豪雪


 2018年2月4日から雪が降り始め、7日には福井市の積雪が147センチに達するなど、37年ぶりの豪雪となった。その影響で交通は大混乱。県北部の国道8号では約10キロの区間で60時間以上にわたり通行止めとなり、立ち往生した車は最大約1500台に上った。物資の輸送が困難になり、市民生活にも影響が出た。農業用ハウスなどが被害を受け、農業被害額は約10億円。死者12人を含む死傷者は133人を数えた。 
 

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