[未来人材] 21歳。 内定断り、ハウス農家めざして修業 ミカン愛 人生開く 荻野藍さん 大分県杵築市

「まずは収穫を乗り切る体力を付ける」と意気込む荻野さん(大分県杵築市で)

 ミカンが好き過ぎて企業の採用内定を断り、新規就農を目指すミカン女子がいる。大分県杵築市に移住した荻野藍さん(21)だ。実家は農家ではないが県農業大学校でかんきつを学び、ハウスミカンの魅力を知った。「農家になりたい」。彼女の熱意を知ったJAおおいた柑橘(かんきつ)研究会ハウスみかん部会が行政と連携し、昨年設立した「杵築ファーマーズスクール」の1期生として栽培を学び、2年後の独立を目指す。

 「日光が葉の下まで当たるようしっかりつってやる」。師匠である宮原宜太郎部会長の説明を聞く荻野さんのまなざしは真剣だ。ベテランは楽々こなす枝つり作業も荻野さんには専門的。「実習とは桁違い。現場は甘くない」という。

 大分市出身。農大校で食べた「大分果研4号」のゼリーのような食感に体が震えた。実習で杵築市の農家に通ううちに、農業経営に興味が湧いた。就農を決意すると、企業にもらっていた内定を卒業前に断った。

 新規参入でハウスミカンを始める場合、施設や資材などで初期投資は1000万円以上。未収益期間もあり、経営開始まで時間がかかる。杵築市は有数のハウスミカンの産地だが、高齢化が襲う。危機を感じたベテラン勢が荻野さんの情熱を受け止め、行政とJAが同スクールを立ち上げた。

 2年間の実習後、すぐに経営できるよう後継者不在の園地をJAが確保した。JAは「果樹で女性の新規就農は初めて」と期待する。

 農家以外の出身を理由に農大校を出ても就農を諦める人もいる。「農家を目指す後輩の目標になれれば」と荻野さん。「頑張れ、あおい!」。地域のみんなが応援する。(木原涼子)
 

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