ため池 国の支援明記 今国会提出法案 防災工事 着実に
2019年02月11日
農業用ため池の決壊による被害を未然に防止するため、政府が通常国会に提出する「農業用ため池の管理保全法案」で、国による財政面や技術面での支援を明記することが分かった。ため池の適正管理や防災工事を担う所有者や自治体の負担を軽減することで、防災対策を徹底させる狙いだ。
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気象データ活用 県域拠点 設置広がる 温暖化や被害対応 農家へ情報提供
地域ごとのより細かい気象データを蓄積することで、温暖化に対応した品種改良や気象災害などの被害軽減策の取りまとめを目指す「地域気候変動適応センター」の設置が各地で始まった。昨年12月に埼玉県が全国に先駆けて設置し、今年1月に滋賀県でも発足した。今後、長野県や静岡県でも設置が決まっており、取り組みが全国に広がる見通し。同センターは大学や地域の研究機関などと連携して情報収集や分析、適応策をまとめ、JAや農家、企業などに情報提供する。
埼玉県は、同センターの設置で県内各地の気象データを収集、分析したものを一元化する他、4月からインターネット上で公開する予定だ。同県は「農業分野では、水稲の白未熟粒の発生頻度や、予測される収量など、気象データを基に予測情報として提供できるのではないか」と話す。また、高温耐性品種の事例紹介などもしていく考えだ。
滋賀県では、気象データを生かし、高温に強い水稲「みずかがみ」の作付け拡大を推進していくことに加え、温暖化に一層適応した水稲の品種改良を進める。
この他、長野県では4月に「信州気候変動適応センター」(仮称)を設置。静岡県でも3月末に「静岡県気候変動適応センター」(仮称)の設置を予定する。同県は「県の研究所などから集めた情報を農業や漁業などの分野ごとに整理し発信していく」とする。
昨年末に成立した気候変動適応法を受けた取り組み。同法は、地球温暖化による農作物の品質低下や洪水など将来予測される被害の軽減、防止する適応計画を推進するための法律。2018年12月1日に施行した。環境省は各地に同センターの設置を推奨し、高温耐性の農作物品種の開発や普及、ハザードマップ作成などで温暖化への適応を促す。同省が気候変動影響評価を5年ごとに行い、その結果を基に改定を行う。
県域のセンターが収集した気象データや被害状況などを国立環境研究所(茨城県つくば市)の気候変動適応センターに、を一元化。同研究所は、各分野の研究機関と協力態勢を構築し、各地の県域のセンターに技術指導をする仕組みも整える。
2019年02月10日

施設野菜、酪農 営農指導にICT活用 北海道・JA新はこだて
北海道のJA新はこだてはNTT東日本などと協力して農業情報通信技術(ICT)の実証試験を始めた。施設野菜、酪農の生産環境データの測定・分析に加え、農作業も記録し、生産性向上に結び付ける。JAと農業改良普及センターが情報を共有しながら、データに基づいた営農指導を実践。農産物の安定生産と品質向上につなげる。
2019年02月15日
「三バン」と言えば政治家に必要な
「三バン」と言えば政治家に必要な地盤、看板、かばん(お金)のことだが、最近、看板になる「顔」が見えにくくなってきたとの声が届く▼自民党の国会議員はかつてない大所帯になったのに、個性的な“顔”がすっかり影を潜める。世襲が多いからか、「一強」の安倍晋三首相にかすんでしまったか。個性がなければ「ヒール(悪役)にはならないが、主役にもなれない」と、記者で長く永田町を見つめてきた岡崎守恭さんは近著『自民党秘史』(講談社現代新書)で厳しい▼個性が売りの人物がひしめいていたころは一味違った。合従連衡、離合集散をものともせず政権の座を目指す。佐藤栄作首相の後継を争ったのは「三角大福中」(三木武夫・田中角栄・大平正芳・福田赳夫・中曽根康弘)。一癖も二癖もある顔が存在感を示した▼政治家が均一化したということだろうか。政治評論家小林吉弥さんが小紙「ズバリ核心」の初夢で描いた「無敵の史上最強内閣」には、現役からの入閣が安倍首相一人。「人材不足のこの国の政治が透けて見える」と嘆いた。混迷する野党の事情も似たり寄ったり。芯の通った骨太の議員はめっきり減った▼きょうは自民党大会。個性が薄れた政に“緩み”が忍び寄る。顔の見えない政治が、面白いはずなかろう。
2019年02月10日

世界農業遺産に申請 日本版認定も 農水省
農水省は15日、山梨県峡東地域のブドウ栽培と兵庫県兵庫美方地域の但馬牛飼養、滋賀県琵琶湖地域の伝統的漁業の三つを国連食糧農業機関(FAO)が認定する「世界農業遺産」に申請すると決めた。秋ごろにも申請手続きを済ませ、受理後1年以内に結果が出る見込み。国内版の「日本農業遺産」として、7県7地域を認定した。
2019年02月16日

意中の相手も頬染める!? 静岡県掛川市「chabacco」 “バレンタイン限定”ティーバッグ緑茶発売
スティック粉末緑茶を、たばこを思わせる箱に入れて「chabacco(チャバコ)」として販売する静岡県掛川市の「ショータイム」が、期間限定で「バレンタインチャバコ」を売り出した。
商品はティーバッグ四つ入り。三つは掛川産深蒸し煎茶、一つは「サンルージュ」という品種の茶で、酸性に反応すると色がピンクに変化する。お湯を注いだ湯飲みにレモン汁を入れ、ティーバッグを入れると一つだけがピンク色になる。
4人1組で同時に茶を入れれば、「確率4分の1で愛(ピンク)を引き当てられるのは誰?」とゲームを楽しめる。
箱には「あなたの周りの人、特に愛する伴侶や彼氏、気になる男性、会社および学校の同僚(同級生)や先輩・後輩などの機嫌に好影響を及ぼす可能性があります」「ピンク色のお茶を引き当てた男性は通常時と比べて数倍テンションが高くなります」などとユニークな注意書きが書かれている。
14日まで、JA掛川市の「お茶処(どころ)いっぷく」や、JR掛川駅構内の土産販売店など、掛川市内6カ所の販売機で購入できる。1箱500円。
ショータイム代表取締役の森川翔太さん(34)は「笑顔のティータイムにつながればと思う」と話す。
2019年02月13日
農政の新着記事

停電、断水に備え 酪農災害対応で手引 北海道
昨年9月の北海道地震による道内全域の停電で酪農に大きな被害が出たことを踏まえ、道は酪農家やJAの災害対応のマニュアルをまとめた。被災の経験を参考に、自家発電での搾乳に必要な電力を把握する方法や発電機の扱い方、断水時の備えなどを示す。今後、JAを通じ道内の全酪農家に配る。
条件想定、作業手順も
大規模停電では搾乳が滞り乳房炎が発生した他、自家発電装置のない乳業工場は操業を停止。道の推計では、集出荷できなかった生乳は2万3000トンを超える。停電を経験した酪農家の間では自家発電機を整備する動きが広がっている。
マニュアルは、まず搾乳などに必要な電力を把握することが重要だと指摘。使用電力が大きいほど、発電機などへの投資額も増える。経営に合った発電規模を決めてから設備を整えるよう呼び掛ける。
停電時に想定するパターンは①通常通り②生乳を出荷できるよう搾乳と生乳冷却③搾乳だけ──の三つ。動かす機械類の消費電力を合計し、その1・2倍ほどの能力を持つ発電機を備える。バルククーラーなど一部の機械は、起動する時に電力使用が増えることも計算に入れる。
発電機の調達では、「購入」「レンタル」「他の生産者と共同利用」「JAのものを利用」などから最適なものをあらかじめ選定する。
発電機を使い始めるための作業手順も示した。「電源切替開閉器」を通じて配電盤とつなぐ方法などを図で示す。
断水への備えでは、牛の飲み水や機械の洗浄に必要な水の量の計算法を示した。過去には、設備が不十分で、給水車が来ても貯水できない例が多発したと指摘。ポリタンクなどに加え、ビニールシートとコンテナなどで簡易貯水槽ができることも紹介する。
道は、個々の酪農家だけでなく、地域全体の停電対策の検討にも活用されることを期待。「JAなどが地域の酪農家に災害対策を働き掛けるきっかけにしてほしい」(畜産振興課)とする。3月中に、道のホームページに掲載する予定だ。
2019年02月16日

豚コレラ 愛知 処分2・2万頭 渥美半島入り口一般車両も消毒へ
愛知県は、田原市の養豚団地の一部農場で豚コレラの感染が見つかったことを受け、未感染の農場を含め、団地内と関連農場合わせて計16農場の豚1万4600頭の殺処分に踏み切った。ウイルスを封じ込め外部に拡大するのを防ぐ。今回を含めた県内の殺処分頭数は約2万2000頭に上る。田原市のある渥美半島は、養豚場が集中しているため、原則24時間体制で一般道の消毒などに乗り出す。
防疫措置の対象農場は団地内の14農場と、団地内の生産者が管理する周辺2農場の計16農場。8戸が経営しており、事務所や堆肥場、死体を保管する冷蔵庫や車両を共同利用している。県は13、14と連日、団地内の2戸3農場で疑似患畜を確認していた。
3農場以外の検査結果は陰性だったが同じ作業形態、動線があるため、県は今後新たな発生が確認される可能性を懸念。団地全体を一つの農場とみなした上で、団地内の農家が管理する周辺の2農場を含め、一括して防疫対象とした。
団地内での殺処分は13日から始まっているが、防疫措置が完了するには今後、1週間から10日かかる見込みだ。
今回を含めた県内の殺処分頭数は、農水省によると、10年の口蹄(こうてい)疫の約23万頭に次ぐ規模。県全体の飼養頭数約33万頭(18年)の7%に当たる。
同省は、今回の養豚団地から半径約10キロ圏内の9カ所で、畜産関連車両の消毒地点を拡大。さらに、搬出制限区域外の一般道で一般車両も消毒する。
一般車両を想定した消毒は昨年9月に豚コレラが発生以来、初の措置となる。国道3本と県道1本の渥美半島の入り口に消毒地点を置く。同地点から半島の先端まで散水車を走らせ、消毒液を散布する。交通量が多い国道23号沿いに、消石灰帯を8カ所設ける。
畜産関係車両には、消毒地点のある道を積極的に通るよう呼び掛ける。警察や自治体、畜産関係団体の協力を得て、原則24時間体制で消毒する。
2019年02月16日
和牛精液流出防止で初検討 新制度構築を
農水省は15日、和牛の精液や受精卵の海外流出防止策などを話し合う検討会の初会合を開いた。家畜の遺伝資源の育成者権を巡り国内外の法制度がない中、国内での管理の徹底や不適切に流通した場合の厳しい取り締まりをどう担保するかが焦点。有識者からは新たな仕組みを提案する声も上がった。現場での管理実態なども聴取し、対応方針を取りまとめる。
2019年02月16日
豚コレラ巡り農相 愛知全県調査も視野 飼養衛生管理徹底へ 衆院予算委
吉川貴盛農相は15日の衆院予算委員会で、豚コレラの拡大防止に向け、感染例が相次ぎ見つかっている愛知県内全198農場を対象に、適正な衛生管理をしているか、調査を検討する考えを示した。拡大防止には、飼養衛生管理基準の順守と早期発見、迅速な殺処分という対応が「今のところはベスト」と強調し、ワクチン接種は慎重に判断するとした。
2019年02月16日

豚コレラ 封じ込めへ 1万2000頭殺処分 連日発生の田原市養豚団地
愛知県は14日、一部農場で豚コレラの発生が確認された田原市の養豚団地で、団地内で飼養する全ての豚を豚コレラの疑似患畜とし、約1万2000頭を殺処分することを決めた。同日午前までに発生が確認された団地内の3農場を除き、他の農場の検査結果は陰性だった。ただ、全農場で施設や機材、車両などを共同利用しており、各農場へのウイルス侵入の可能性を懸念。封じ込めを狙い団地内の全農場を防疫対象とした。
農水省の要請を受けた措置。同県の大村秀章知事は、自衛隊の災害派遣要請を決めた。
田原市の養豚場では13日、同県2例目となる豚コレラの発生が確認されていた。14日午前には、隣接する同市の養豚場で発生が新たに確認。いずれも同じ養豚団地内にある。
国の拡大疫学調査チームによる現地調査によると、発生農場を含む養豚団地の全農場は、事務所や堆肥場、豚の死体を保管する冷蔵庫、車両などを共同利用していることが分かった。
県は13日から、2例目の発生農場から半径3キロ圏内の移動制限区域にある33農場で検査を開始。このうち「発生リスクがより高いと判断した」(県畜産課)同養豚団地を先行検査をしていた。
団地内では3カ所を除いて検査結果は陰性だった。ただ、共同利用している施設や機材を通じて各農場にウイルスが侵入している恐れがあるため、団地内の全農場で防疫措置に踏み切った。
一方、2例目の農場から半径3~10キロ圏内の搬出制限区域には、34農場がある。移動制限、搬出制限両区域での飼養頭数は10万頭に上り、県全体の3割に当たる。
昨年秋に発生した豚コレラは岐阜県に集中していたが、今月6日に愛知県豊田市の養豚場とその系列である田原市の養豚場で発生が確認され、子豚の出荷を通じて長野、岐阜、滋賀、大阪の4府県にも広がった。
農水省は感染経路の究明を急いでいる。豚コレラは豚やイノシシの病気で、人に感染することはなく、感染した豚を食べても健康に影響はない。
2019年02月15日
豚コレラ発生5カ月 181農場 監視を徹底
岐阜県での豚コレラの発生から5カ月。発生の拡大が収まらない中、感染経路の特定が急務の課題となっている。だが、ウイルスを持った野生イノシシ、と畜場を含む施設を通じた感染源などが想定されるものの、経路の特定には至っていない。そうした中、農水省は181の農場を監視対象にし、拡大を防止する狙い。感染拡大を食い止めるため、感染経路の早期の特定と、それに応じた対策が欠かせない。
感染経路では、野生イノシシがウイルスを拡散しているという見方は強い。農水省も両県へ防護柵設置などの助成を拡充しているが、野生イノシシがどうウイルスを広げたか、具体的なメカニズムは解明されていない。
愛知県では1例目の豊田市の養豚場と、同ウイルスに感染した野生イノシシが見つかった犬山市は30キロほど離れる。同省の疫学調査チームは、野生イノシシ以外の原因を含め調査している。
と畜場など発生農場が使った施設に人や車両が立ち入り、消毒も不十分だとウイルスが運ばれ、新たな感染が起きる恐れがある。愛知県の2例目は、先行して発生が確認されていた農場と同じと畜場を使っていた。
同省は感染経路究明に向けて「あらゆる可能性を想定している」(吉川貴盛農相)。疫学調査チームは岐阜、愛知両県に入り、感染経路などを調べており、近く結果をまとめる見通しだ。
監視対象の農場では、不安を抱えながら県への報告や出荷自粛を続けている。心のケアを含め、生産者へのきめ細かい対策が重要になっている。
2019年02月15日

高知市に仮住まい→県内の居住地検討 農村移住 2ステップで
田舎暮らしはしたいけど、移住への一歩が踏み出せない──。そんな悩みを解消するため、高知県で「二段階移住」の取り組みが始まった。まずは高知市に移住し、県内の市町村を巡って次の移住先を探す。移住のミスマッチをなくして費用の負担も軽減し、移住へのハードルを下げる狙い。高知市独自の制度で、全国的にも珍しい仕組みだ。
ハードル下げ ミスマッチ防ぐ
東京都出身の鈴木助さん(28)は、高知市が実施する二段階移住制度を活用して、東京から高知市を経て今月、香南市への移住を実現した。二段階移住は、まず比較的都市部の高知市に移住・滞在し、そこを拠点に県内を巡って自分に合った場所を見付けてから、最終的な移住を決める手順。同市から家賃やレンタカー代などの補助が受けられる。
鈴木さんが高知への移住を希望したのは、就職した企業の転勤で高知で暮らしたことがきっかけ。東京に戻ってからも、再び「自然豊かな高知らしい暮らし」がしたいと、自治体の移住相談窓口を訪問する中で同制度を知り、昨年12月に第一段階の同市に移住した。
鈴木さんは起業を目指していることから、住居は一軒屋が条件だ。「インターネットでも物件情報は見られるけれど、開業に合う一軒家は実際に見ないと分からない」と、同市土佐山で借りた住居を拠点に各地を探して回った。
同市から約1時間ほどの香南市で希望の物件を見付けた鈴木さん。2月初旬に新たな生活をスタートさせた。「口コミで地元の人に聞いたり、頻繁に通って探すことができた」と話す。
市が制度化 費用補助 中山間へ人口分散を
同制度は昨年、高知市が創設。県内での移住先を探す人が、まず同市にお試し移住した後、県内の市町村の相談窓口を3カ所以上巡って実績を報告すると、高知市での物件の1カ月分の家賃や引っ越しの費用などが20万円を上限に、県内の市町村の移住相談窓口を巡る際に使うレンタカー代が2万円を上限に補助が受けられる。市によると、これまでに19件の利用があり、「腰を据えて相談しながら移住先が探せた」などの反響があったという。
高知市が二段階移住制度を始めた背景には、県の人口の46%が同市に集中する一方で、中山間地では人口減少や高齢化が進んでいる現状がある。経済、社会的にも他地域との相関関係が高いことから、同市は18年4月に県内全市町村と「れんけいこうち広域都市圏」を形成し、人口減少の克服を目指す。制度はその一環で、県内の移住相談窓口と連携して、移住者のサポートを行う。同市は「移住者を増やして中山間地の1次産業など、県全体で振興していく必要がある」(定住・移住促進室)と強調する。
県への移住者は17年度は816世帯。20年度1000世帯を目標に、県は県移住促進・人材確保センターを立ち上げた。センターでは県内の事業者の人材ニーズなどを集約し、移住相談者の希望に応じた求人情報を提供するなど、暮らしと仕事の窓口を一本化する。農林水産業や福祉、企業などの団体が参画し、「半農半X」などの働き方にも対応していくという。県は「オール高知の体制づくりを進めていく」(移住促進課)と力を込める。
まず地方都市から ふるさと回帰支援センター・嵩和雄副事務局長の話
地方都市は比較的仕事も住む所も見つけやすく、移住のニーズが高まっている。さらに、地方都市は県からの人口流出を食い止める機能を果たしている。移住はしたいが、行きたい場所がはっきりしない人には、二段階移住制度を使うことで、気になった場所に頻繁に通って地元のキーパーソンに話を聞いたりイベントに参加したりと、じっくり探すことができ、選択の幅が広がる。高知市が主体となって制度が実現したのは、県全体で移住に取り組んできた表れだろう。
2019年02月15日
ノウフクJAS新設 障害者雇用後押し 農水省来年度
農水省は、障害者が作った農産物について、新たな日本農林規格(JAS)を定めた。収穫や家畜の飼育など主要な生産工程に障害者が関わり、その取り組みを意味する言葉「ノウフク」を表示することが条件。障害者と連携して作った農産物や加工品のブランド価値を高め、障害者の就労先拡大や賃金向上、農家の労働力不足解消につなげる。
2019年02月15日
豚コレラ 愛知2例目 監視対象から確認
愛知県は13日、田原市の養豚場で豚コレラの新たな発生を確認したと発表した。県内の豚での感染は6日の豊田、田原両市に次いで2例目。当該農場は、先行して発生が確認されていた田原市の農場と同じと畜場を使っており、監視対象農場となっていた。ただ、同県農政課によると、疑似患畜が確認される前の段階では異常がなかったため、当該農場は所定の手続きを経て、12日に豚をと畜場に出荷していた。
県は12日午後2時すぎ、同市の養豚場から豚に食欲不振などの症状が見られると報告を受けた。家畜保健衛生所による精密検査の結果、13日午前8時、疑似患畜を確認。当該養豚場の飼養頭数は1180頭。同日に殺処分を始め、18日をめどに防疫措置を完了させる予定だ。
今回の発生農場と、6日に疑似患畜が出た田原市の農場は、5キロ以内に位置する。両農場とも豊橋市のと畜場を使っていたため、県は9日、発生農場を監視対象農場に指定していた。
監視対象農場は、豚の健康状態を毎日、県に報告する。基本的に出荷は規制されるが、1カ月間の出荷計画を提出し、出荷日の1週間前から体温などの記録を取り、県が異常がないと認めれば出荷できる。今回の発生農場は、異常が確認される前日の11日、異常がないと認められ、12日の午前11時、県の許可を得て、と畜場に出荷した。出荷を許可したことについて県は、「発熱など健康の異常がなかった」(農政課)としている。
農水省は「臨床検査や、体温検査など必要な対応をしっかりととっていたのであれば問題ない」(動物衛生課)としている。
現時点の監視対象農場は、愛知県内だけで107農場、全国では11府県、181農場に上る。
田原市の飼養頭数は2016年時点で10万5000頭。市町村別の豚の産出額は88億円で全国10位の産地となっている。
2019年02月14日
イノシシ特命課長任命 被害対策に専任 福岡市
福岡市は13日、イノシシ対策専任の特命課長と係長を4月から配置すると発表した。既存部署と連携して農業や人的被害の対策を急ピッチで進める。2017年度より3割多い2000頭の捕獲を目指す。特定の野生動物対策に専任するポストは全国でも珍しい。
2019年02月14日