TPP11、日欧EPAで米国 対日輸出 乳製品 半減を予測 貿易交渉 加速を訴え 酪農輸出団体が分析

 米国抜きの環太平洋連携協定(TPP11)と日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)によって、2027年までに米国乳製品の対日輸出が半減し、最終的に累計54億ドル(約5900億円)の損失が出るとする報告書を米国の酪農団体が公表した。日米貿易協定交渉で他の協定と「同程度」の成果が必要としており、日本市場の開放を目指し焦りを募らせる米国側の姿勢が改めて浮き彫りとなった。

 米国酪農輸出評議会(USDEC)が日欧EPAの発効に合わせ、チーズ、ホエー(乳清)、乳糖、脱脂粉乳の対日輸出の影響について、民間企業に調査を委託した。

 日本は日欧EPAで、EUの輸出意欲が強いソフト系チーズで最大3万1000トン(生乳換算約39万トン)の輸入枠を設定。枠内関税を16年目に撤廃する。チェダー、ゴーダなどのハード系はTPP、日欧EPAとも16年目に関税を撤廃する。

 こうした内容に基づき、米国乳製品の対日輸出は、22年までの5年間で従来の予測よりも9000万ドル(約99億円)、19%落ちると分析した。

 27年までに両協定の参加国に対日輸出の半分を奪われ、累計損失額は13億ドル(約1400億円)と試算。日本の関税削減・撤廃が完了する38年までに同54億ドル(約5900億円)の損失を見込んだ。

 最も大きい影響を見込むのがチーズ。人口減の中でも日本の消費量を増えるとみており、魅力的な市場と位置付ける。両協定と同じ条件なら、10年間で対日輸出量を大幅に増やせると推計する。

 ただ、米国はTPPから離脱したため、関税の格差などで競争力低下が進み、10年後には対日輸出が8割減るとした。

 「日本との間に(TPPや日欧EPAと)同等の協定がないままだと、米国は危険なまでに市場シェアを失う」と危機感を示した。一連の分析を踏まえて、「早期に手を打たないと市場での居場所を失う」と、日米交渉加速の必要性を指摘した。 
 

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