牛肉関税「削減を」 対日交渉は「最優先」 TPP離脱で危機感 米国食肉輸出連合会

 米国食肉輸出連合会(USMEF)は、日米貿易協定交渉での牛肉関税の削減を強く求めている。日本農業新聞の質問に書面で回答したダン・ハルストラム会長は「米政府は、対日協定が国内食肉産業の最優先事項であると強く意識している」と強調。現地メディアも「環太平洋連携協定(TPP)に参加していないことで他国にシェアを奪われる」とあおっている。

 「日本は米国産牛肉の最大の仕向け先だ」。ハルストラム会長は、対日輸出の重要性を訴える。USMEFによると、2018年1~11月の牛肉輸出量(くず肉含む)は、最高記録だった11年同期を上回る124万トンと史上最高を記録した。輸出額は76億ドル(約8421億円)で、最高記録の17年1~12月の73億ドル(約8025億円)を11月時点で超えた。全体量の4分の1が日本向けだ。

 しかし米国がTPPから脱退したため、今後の対日輸出は風向きが変わりそうだ。昨年末にTPPが発効し、日本は参加国のカナダやメキシコ、オーストラリア産牛肉に早速27・5%の関税を適用。4月からは26%台に引き下げるが、米国産は現行の38・5%を維持するからだ。

 USMEFは、日本向けの関税が現行を維持する限り、牛肉輸出で23年までに毎年、5億5000万ドル(約607億4200万円)の得られるべき利益を損失し、28年までには毎年12億ドル(約1325億円)に達すると見込む。

 ハルストラム会長は、米商務省経済分析局(BEA)が「TPP並みの関税引き下げがなければ、今後10年の間に食肉業界で2万3600人が失業する」と分析したことを取り上げ、「農家の危機感は強く、日本の市場開放を求める声が高い。今後予定される日米貿易交渉で、米国がTPPと同レベルの関税率を持てるよう交渉することを期待する」と指摘した。

 米国では、輸出関税が競合国より高く、日本市場を奪われるとした内容の番組が放映され、話題を呼んだ。

 2月上旬、農業番組「AGデイTV」で、牛肉輸出の調査を専門とするケトルファックスのケビン・グッド取締役らが、米国産牛肉輸出量・額が最高を記録したことに対し「日本に輸出したい牛肉の商品が山ほどあるのに、関税が高くオーストラリアにシェアを奪われる」と予測したからだ。同じ番組に出演した生産者団体も「カナダにもシェアが奪われる」と話した。

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