ミカン新系統 常温貯蔵4月まで 浮き皮少なく 高単価期待 静岡県、19年度出願へ

浮き皮が発生した「青島温州」(上段)と「S1200」(静岡県農林技術研究所果樹研究センター提供)

 静岡県農林技術研究所果樹研究センターは理化学研究所と共同で、重イオンビームを利用した突然変異で、普通温州ミカンの新系統「S1200」を育成した。主力品種「青島温州」より浮き皮が少ないのが特徴。貯蔵性が高く、4月まで出荷が可能で、高値販売が期待できる。超晩生で収穫作業が分散できるため、労働力不足にも対応する。

 重イオンは水素より重い元素で、加速器で植物に照射すると突然変異を起こす。2001年「青島温州」の育成系統「S1152」の穂木に、ネオンを照射しカラタチ台に接いだ。06年の初結実以降選抜を繰り返し、18年「S1200」を最終選抜した。

 「S1200」の収穫期は12月下旬~1月上旬。七、八分着色でも貯蔵中に完全着色する。「青島温州」より酸含量がやや多く貯蔵性が高い。常温貯蔵した17年の試験では、5月2日調査で出荷に問題ない程度の浮き皮で、糖度は14程度、酸含量は0・5%台だった。

 現在、品種登録に向け調査中で、19年度に出願する予定。担当の中村茂和上席研究員は「常温貯蔵で4月いっぱい出荷できる」とみている。

 JA静岡経済連などが静岡市内で開いた県柑橘(かんきつ)生産者大会で発表した。

 同経済連によると貯蔵ミカン単価は、2月までは1キロ260円前後だが、品薄の3月~4月上旬は400円前後に跳ね上がる。同連は「3、4月もニーズは十分ある。温州ミカンを長期間連続して出荷できるようになる」と普及に期待する。

 「青島温州」は貯蔵性に優れるが、近年は秋の高温多雨で、収穫前から浮き皮が発生、貯蔵も難しくなっている。冷風貯蔵が必要な3月以降は、需要があるものの、出荷量は激減する。

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