対日交渉で米国 農畜産物・車に照準 牛・豚肉開放圧力も USTR報告書

 米国通商代表部(USTR)は1日、トランプ政権の通商政策の方針を示した年次報告書を公表した。2019年の主要課題の一つに日本との貿易協定交渉を挙げ、自動車や農畜産物の市場開放を目指す姿勢を示した。米国では政治力のある食肉団体が早期の協定締結を強く求めており、対日輸出額が大きい牛肉や豚肉などを中心に市場開放を迫ることが懸念される。

 年次報告書はトランプ政権下で3回目。米国の食肉などの農業団体が意見募集や公聴会で、環太平洋連携協定(TPP)や日欧経済連携協定(EPA)の発効で米国が不利になるとして早期の交渉入りと妥結を求めていることを受け、「主要な競争相手国は日本との自由貿易協定(FTA)を結び、米国の輸出産業に対する価格競争力を強めている」と指摘。対日交渉で農業分野を照準に据え、貿易赤字の削減を目指す方針を改めて示した。

 昨年12月に公表した対日交渉目的に沿って「公正でよりバランスのとれた貿易協定」を目指す方針とみられる。農畜産物については「関税削減・撤廃で米国産農産物の包括的な市場アクセス(参入)を確保する」と明記。物品だけでなく通信、金融など包括的な分野を盛り込んでいた。

 日米交渉を巡っては、USTRのライトハイザー代表が交渉入りを急ぐ考えを表明。日本政府は4月開催を打診し、調整が続いている。対象分野や協議方法など交渉の枠組みも決める必要があり、交渉入りは4月以降になるとみられる。

 米中貿易協議の動向も対日交渉に影響する。トランプ大統領は3月に習近平国家主席との首脳会談を開き、合意したい考えだが、対立は激しいとみられ道筋は不透明だ。

 報告書は、最優先課題として米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の議会承認と中国との貿易協議を挙げ、日本や欧州連合(EU)、英国との貿易協定交渉への意欲も示した。 
 

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