紋枯病に強い遺伝子 稲で発見、克服へ 農研機構

 農研機構は4日、稲の重要病害である紋枯病に強い抵抗性を持たせる遺伝子「BSR2」を発見したと発表した。稲が元々持っている遺伝子で、強く働かせると稲に抵抗性ができる。未知の植物ホルモンを作っているとみられ、新しい防除法を創出できる可能性がある。

 紋枯病は、かびの仲間が原因で葉枯れなどを起こす病害。いもち病と並んで稲の二大病害と呼ばれる。いもち病と異なって抵抗性を持つ稲の系統がなく、農薬の種類も少ないため、防除が難しい。2017年の被害は全水稲作付面積の15%に近い21万8000ヘクタール、被害数量は年間3万4200トンに上る。

 同機構は理化学研究所や岡山県と共同研究し、稲の1万個以上の遺伝子から同病に強い遺伝子を探索。発見した「BSR2」は、そのままでは働きは弱いが、遺伝子組み換え(GM)技術で働きを強めて効果を確認した。

 ただ、この遺伝子は実りを悪くする欠点も持つ。働きが高まった稲は、種もみが実る割合が10%以下だったため、「BSR2」をそのまま育種に使うことは難しい。また、雄しべや雌しべ、もみなど、花全体を1割ほど大きくする効果もあった。

 農研機構は「BSR2」が作り出す植物ホルモンを見つければ、農薬として使える可能性があるとみて、研究を続ける。農研機構生物機能利用研究部門は「紋枯病には高価な殺菌剤しかないが、農家の防除の手段が増える可能性を秘めている。花が大きくなる特徴は、花きの育種に使えそうだ」と期待する。

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