[改革さらに前へ 第28回JA全国大会](8) 理解醸成 対象ごとに広報充実 援農、モニター制度も活用 神奈川・JA横浜

企画会議で小泉課長(右から2人目)を中心に写真や記事を講評し合う広報課職員(横浜市で)

 神奈川県のJA横浜は、ターゲットに合わせた広報でJAのファン・仲間づくりを進める。農と都市が共存する管内の特徴を最大限に生かし、農業のPRや地産地消の推進につなげている。

 「この写真は、無駄なスペースがなくてとても良いね」。広報課の小泉利光課長が職員らと意見を交わす。月1回の企画会議で、技術向上に向けて記事や写真の講評なども行う。最近の関心は、支店だよりの手本となる企画立案。小泉課長は「支店だよりの質が向上し、本店も負けられない」とメンバーを鼓舞する。

 「職員一人一人が広報職員」の意識の下、支店の職員がグループになり、輪番制で支店だよりを年4回以上発行する。「取材主義」を掲げ、事業の広告記事は控え、企画取材を重視する。「JAの取り組みの実際の姿を見せるのは広報しかない」(波多野優常務)と広報を重要な経営戦略として位置付け、トップ広報を展開してきた。

 核となる正組合員に向けては、年12回の情報誌の他、営農情報に特化した冊子を毎月発行。自己改革の取り組みの冊子は、役員と幹部職員が全戸訪問し手渡している。

 今力を入れるのが、これからの社会を担う世代に向けた活動だ。「情操教育」と「専門学校生」の2本柱をテーマとし、地元の新聞に記事体広告を年2回掲載する。市内のスイーツ&カフェの専門学校でプロを目指す生徒が酪農家とアイス工房を訪れ、調理室で低温殺菌牛乳でスイーツを作った様子を、2月に記事で紹介した。現場には、平本光男副組合長も駆け付け、率先して横浜農業のPR役を務めた。前回では地元小学校の5年生が農家2戸と直売所を訪問する様子も掲載した。

 JAが「横浜農業の応援団」と位置付ける5万6000人の准組合員への広報も重要な柱だ。アンケートを行いニーズを把握。農業への関心が高い准組合員による援農ボランティアを試行実施してきたが、4月から制度化する。年2回の准組合員向け広報紙は19年度、タブロイド判からA5判版の冊子にして充実させる方向だ。

 正・准組合員や員外、学識経験者合わせて15人からなる広報モニタ―制度も設けている。広報活動を通じて一般市民から「横浜は、都市部であっても農家が身近にいることを初めて知った」「横浜の農業は、質の高い農産物を何でも扱う“農業のデパート”だと初めて知った」などのコメントが寄せられている。

 波多野常務は「広報活動の効果測定は難しいが、どんな良い取り組みをしても、発信しないことには伝わらない。使う媒体を模索しながら、外に向かって発信を続けていく」と一層の強化を検討している。

 (この企画は望月悠希、松本大輔、斯波希、吉田朋記、岡部孝典、洲見菜種、近藤真規が担当しました)
 

<メモ> 理解醸成


 大会議案では、国民に食、農、協同組合への理解を深めてもらうことを柱の一つに掲げた。具体的には、JAで広報活動を経営戦略や事業計画の重要な柱とする。引き続きトップ広報の重要性を掲げ、役職員全員が広報を担う意識が重要だとした。支店や直売所、JAのイベントを情報受発信の場とすることも盛り込んだ。 
 

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