[未来人材] 35歳。祖父の思い継ぐ、名門校の元球児 水ナスでいざ勝負 中出庸介さん 大阪府貝塚市

大阪桐蔭高校のジャージーを着て水ナスを紹介する中出さん(大阪府貝塚市で)

 全国有数の水ナス産地、大阪府貝塚市で、60年以上続く農園を引っ張るのが中出庸介さん(35)だ。高校野球の名門、大阪桐蔭高校出身の元球児。同市でいち早く水ナスを栽培した祖父の思いを継ぎ、20歳で親元就農した担い手だ。

 中学時代は強打者として知られ、10校以上の誘いを受け同校に進学した。プロ野球で本塁打王6回を誇る埼玉西武ライオンズの中村剛也選手とのポジション争いは激しく、負荷が肩に蓄積。「リハビリに1年かかり、ベンチ入りするのがやっとだった」と振り返る。

 大学でも野球を継続。自宅から通ったことで水ナス作りの苦労を知った。「午前3時に起床し収穫に出る家族の姿を見るうちに、力にならなければという思いが芽生えた」。大学を中退し就農を決意した。

 当初は栽培だけだったが、母の勧めで2009年から弟達也さん(30)と水ナスの浅漬け生産に着手。現在は就農時と比べ、売り上げは倍以上に成長した。

 「みずみずしい大ぶりの水ナスを伝えたい」とインターネットのPRを強化。水ナス生産への思いを記した記事や写真、インターネット交流サイト(SNS)での発信などが評価され、17年には全国4万5000以上のネットショップから優れた10店を表彰する「カラーミーショップ大賞」優秀賞に輝いた。

 昨夏の金足農業高校(秋田)に続き、園芸学科などがある石岡第一高校(茨城)が甲子園に出場する今、農業系高校に注目が集まる。「野球で人間を形成し農業に携わる一人として、農業系球児の活躍は楽しみ。水ナスと野球を絡めたブランディングにも挑戦したい」と意欲を燃やす。(前田大介)
 

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