日欧EPAでEU菓子業界 原産地規則に不満

 日本と欧州連合(EU)のEPAに、欧州製菓業界が不満を募らせている。砂糖が主原料となる菓子類の原産地規則について、国際価格ではなく、重量を基準にしているためだ。EU産ではない割安な砂糖を使えば、日欧EPAの恩恵を受けることが難しくなり、日本に原産地規則で再交渉を求めてくる可能性も取り沙汰されている。

 米国の政治専門メディア「ポリティコ」によると、不満の発信元は、欧州のチョコレートやビスケット、砂糖菓子類の製造事業者でつくるロビー団体「カオビスコ(Caobisco)」。日欧EPA以外のEUの貿易協定では、原産地規則は重量を基準とせず、製品の価格に占める非原産砂糖の割合を出すルールを適用しているだけに、業界内では不満が高まっているという。

 日欧EPAは、日本やEU域内で生産されていない原料を制限するため、産品の重量に占める非原産砂糖の割合を40%以下に設定。ブラジルやカリブ海地域など、EU産ではない割安な砂糖を使えば、日欧EPAに基づく市場アクセス(参入)の恩恵を受けられない可能性が出てくる。

 カオビスコの担当者によると、EU域内でも、テンサイを栽培しない南欧の製菓メーカーが割高のEU産テンサイ糖を使うケースは極端に少ないという。

 EUの業界内では「このままでは日欧EPAの恩恵を受けられない」との懸念が広がる。欧州委員会に原産地規則の算出方法を変更するよう日本との再交渉や砂糖の原産国証明を発行する法制度の整備を求める声も出ている。

 こうした動きに対し、EU側がどう動くかは不透明だ。(ジュネーブ安達聡子)

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