イノシシ用ワクチン 食安委に評価申請 農水省

 農水省は、国内で初めて使う野生イノシシ用の豚コレラワクチンについて、国の食品安全委員会に安全性評価を申請した。ワクチン使用地域のイノシシの食肉利用を再開するには、同委員会によるワクチンの安全性評価が必要と判断した。消費者の理解を促し、食肉利用に支障が出るのを避けたい考え。ただ、同委員会の評価がまとまる時期は不透明だ。

 野生イノシシの豚コレラ感染は、岐阜県で212頭、愛知県で12頭に上る。岐阜県は27市町、愛知県は6市の全域・一部地域で、今シーズンの狩猟を規制。来シーズン以降の対応は、感染イノシシがなくなった上で検討する。

 同省は、豚コレラウイルスの拡大要因となる感染イノシシをなくすためワクチン使用を決定。感染イノシシが見つかった地域を中心に、一定のエリア内の土中にワクチンを埋め、イノシシが自ら掘り起こして食べて、抗体を生じさせることを想定する。

 今回使うワクチンは国内初の使用で、同委員会による安全性の評価を受けていない。自然感染でも抗体が生まれる可能性があり、ワクチンを接種したイノシシだけを特定し、排除するのも難しい。このため、当該エリアで捕獲したイノシシは、全てワクチンを接種した可能性があるとの前提に立たなければならない。

 同省は狩猟規制の解除後、すぐに食肉利用が再開できるよう「安全性を明らかにし、消費者の理解を得る必要がある」(畜水産安全管理課)と判断。ワクチンの成分や量、肉への残留性などの情報を集め、同委員会に12日、安全性評価を要請した。

 同委員会によると、過去には同委員会がリスク評価を受理し、1カ月以内で評価をまとめた事例もある。ただ、同委員会事務局は「野生動物に使うワクチンの評価は前例がない」と説明。現時点では、いつ評価がまとまるかは見通せない状況だ。

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