この漢字を見ると、心がうきうきし思わず笑顔になってしまう

 この漢字を見ると、心がうきうきし思わず笑顔になってしまう。日本人にとって〈春〉は特別な意味合いを持つ▼芭蕉は〈枯芝や ややかげろふの一二寸〉と詠む。陽炎(かげろう)は糸遊(いとゆう)とも言う。柔らかな日を受け細い糸がゆらゆら遊んでいる様を表す。きょうは「春分の日」。この日を境にさまざまな物が本格的に動きだすように思う▼それにしても春分といい秋分といい、なぜ〈分〉の字が付くのだろう。一方で夏至と冬至のように夏と冬は〈至〉。四季がある日本で、特に美しい春と秋はいつの間にか来ていつの間にか去る。つまりは、“中間色”のような存在の中で、〈分〉ける必要があったのかも。そんな想像が膨らむ▼〈春〉と切り離せないのは〈桜〉だろう。この時期、薄紅色の花びらが空に舞い心の中にときめきを届けてくれる。中高年向け雑誌『ノジュール』(小学館)4月号は「春と桜と物語の旅路」大特集を組む。地方勤務時代に見入った岡山県真庭市にある華麗な「醍醐(だいご)桜」も取り上げた。約700年前、後醍醐天皇が隠岐に島流しになる途中で愛(め)でたと伝わる。南北20メートルに枝張る巨木の気品ある姿を思い出した▼〈春〉は三人の日とも読める。あなたと私と誰か。きょうは、新たな出会いを求め書を置き街に出掛けてみよう。  

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