農産品関税やり玉 日米交渉初会合へ 強硬な圧力懸念 USTR障壁報告書

 米国通商代表部(USTR)は29日、2019年版の外国貿易障壁報告書を公表した。日本に対し、米や牛肉、豚肉など重要品目の輸入管理制度や、かんきつ類や乳製品などの関税を障壁と指摘し、市場開放を目指す姿勢を改めて示した。4月15日からの初会合を調整している日米貿易協定交渉では、環太平洋連携協定(TPP)の発効などで米国産品が厳しい競争にさらされていることを踏まえ、日本への市場開放圧力を強めることが懸念される。

 USTRは報告書を毎年公表している。米国産品の輸出や外国市場への展開で障壁となる貿易・投資ルールを国ごとに列挙している。

 日本については、昨年9月の日米首脳会談で貿易協定交渉の開始に合意したことを説明。農産物をはじめとした物品の関税・非関税障壁への強い懸念を打ち出した。

 農産物の各品目については、昨年までの報告書と同様の記述を並べた。「日本は米国産農産物・食品の輸出を阻む高関税を維持してきた」とし、オレンジなどのかんきつ類や乳製品など、2桁の関税を課す製品を例示した。

 重要品目では、輸入管理制度を非関税障壁として問題視。米はミニマムアクセス(最低輸入機会=MA)で輸入された米国産米が日本の消費者に十分に浸透していないと指摘。「世界貿易機関(WTO)ルールに照らし、輸入制度を監視し続ける」とした。

 牛肉については、17年8月から18年3月まで発動したセーフガード(緊急輸入制限措置)を提起。豚肉は差額関税制度を「貿易歪曲的な措置」だと指摘するなど、従来からの強硬な記述を踏襲した。

 トランプ政権は対日交渉で、貿易赤字の削減を重視している。赤字の8割を占めているのは自動車・同部品で、交渉の最大の焦点になっている。報告書では、日本の車両の認証制度や販売慣行が「米国メーカーを排除する非関税障壁だ」と分析している。

 日米両政府は、貿易協定交渉の初会合を15、16日に米ワシントンで開く方向で調整している。米国の農業団体は、離脱したTPPや、日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の発効で米国産品が厳しい競争にさらされていることを受けて、早期の市場開放を求めている。こうした声を背にした厳しい要求をはねのけられるのか、日本政府の毅然(きぜん)とした対応が問われている。 
 

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