畜産物違法持ち込み増加 水際対策の徹底を アフリカ豚コレラ発見 中国・ベトナム過半

 アフリカ豚コレラの侵入防止が急務の課題となっている。発生国の中国、ベトナムをはじめ畜産物の違法な持ち込みは増え続け、感染力のある生きたウイルスが見つかる事態も発生。農水省は、家畜防疫官や検疫探知犬を中心とした水際対策に力を入れる。観光客や労働者ら、外国からの人の行き来が今後さらに増える中、万全の態勢を築けるかが問われる。

 アジアのアフリカ豚コレラ発生国の中国とベトナムだけで、違法持ち込み件数の半分以上を占めている。日本への侵入リスクは高くなっている。

 同省によると2018年、検疫を受けずに空港などに違法に持ち込まれた畜産物の発見件数は9万3957。そのうち45%と約半分が中国で、2位は14%のベトナムだ。

 これまでの違法持ち込みのうち、17件でアフリカ豚コレラウイルスの遺伝子が検出された。1月下旬に中国から持ち込まれた畜産物のウイルスは生きていて感染力を備えていた。同省の家畜防疫官が空港内で注意喚起し、旅行者がソーセージを所持していることを報告。回収されたが、国内に入っていれば感染源になっていた可能性がある。

 インバウンド(訪日外国人)の急増もリスク要因だ。18年は3119万人。このうち中国はアジア最大の838万人。ベトナムは39万人で、前年から26%増え、増加率で見るとアジア1位だ。

 4月からは新たな在留資格による外国人労働者の受け入れが始まった。中国、ベトナムを含め、日本に訪れる外国人が増えることが見込まれる。

 ウイルスの侵入防止へ、政府は畜産物の違法な持ち込みに対する取り締まりを重視する。

 日本国内には現在、中国からの直行便が着く空港は23カ所、ベトナムからの直行便が着く空港は4カ所ある。空港での注意喚起などを担う家畜防疫官は現在、全国に約460人いる。両国からの到着便に対し、必ず1人以上を配置している。

 同省は中国、ベトナムの直行便が着く空港で、特に利用者が多い7カ所に検疫探知犬を計33頭配備。それ以外の空港には、探知犬を派遣して対応している。

 吉川貴盛農相は、水際対策強化へ「関係省庁とも連携を取る」と述べている。大型連休やその後の夏休みなど、人の往来が多くなる前に、より強固な水際対策を講じることができるかが課題だ。
 

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