統一地方選 地域農業の未来を選択

 第19回統一地方選の前半戦となる投開票が7日行われる。夏の参院選と重なる12年に1度の「亥(い)年選挙」で、各政党も統一選を参院選の前哨戦と位置付ける。政策課題は自治体ごとに異なるが、国民の命を守る食や農は共通のテーマ。安倍晋三首相が掲げる地方創生の是非も争点となる。国政も視野に未来を選択する機会としたい。

 統一選は3月21日の北海道、大阪、神奈川、福井、三重、奈良、鳥取、島根、徳島、福岡、大分の11道府県知事選の告示で幕を開け、24日告示の6政令市長選、29日告示の41道府県議選、17政令市議選と共に投開票となる。後半戦は市区町村長・議員選がある。

 知事選で与野党の全面対決となるのは北海道だけで、大阪は「都構想」を争点とした知事・大阪市長のダブル選、島根や福井、徳島、福岡の4知事選は自民勢力が分裂する戦いとなる。

 本格的な人口減少時代を迎えた中、東京一極集中の是正や地方経済の活性化などが争点となっている。安倍首相は経済政策アベノミクスで「景気回復の実感を全国津々浦々に行き渡らせる」と唱え、地方創生で地域経済を再生すると約束した。

 現実はどうだろうか。

 総務省の2018年人口移動報告によると、東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)は、転入者が転出者を14万人近く上回り、前年より1万以上増えた。東京に向かう勢いは止まらず、地方の衰退や人口減少に歯止めがかかっていない。

 地方の基幹産業である農林水産業の再生はどうだろうか。農業改革方針「農林水産業・地域の活力創造プラン」に基づく施策により、17年の生産農業所得は3兆8000億円と3年連続で増えた。40代以下の新規就農者も4年連続で2万人を超えるなど、政府は「成果が出ている」と説明する。

 だが、18年の農業就業人口は175万3000人で、1999年の384万5000人から約20年間で半減した。生産基盤の弱体化は進んでおり、穀類や野菜、果実、肉類などの主要農畜産物の16年の生産量は2000年比で1割以上落ち込んだ。特に条件が不利な中山間地域の農業・農村の状況は深刻だ。

 労力不足の解消へ、政府は外国人労働者の受け入れ拡大を始めた。効率化に向けたスマート農業の普及も重要だ。だが、肝心の担い手農家の確保が軌道に乗らない限り、消費者が求める国産農畜産物の安定生産・供給はできない。農業の発展こそが地方創生の原動力となる。

 平成最後の統一選。新たな令和時代に向けて地方と、食と農の未来像をどう描くのか。国政に民意を反映させる貴重な機会となる。4年前の統一選(知事選)の投票率は、平均で47・14%と初めて5割を切った。

 投票は国民に与えられた権利である。自由で公正な民主主義を守るためにも、1票を投じよう。 
 

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