[ここに技あり] 牛乳パックで一粒種まき器 つままずに時間半減 神奈川県平塚市 関谷英雄さん

種まき器を使って種をまく関谷さん(神奈川県平塚市で)

 神奈川県平塚市でホウレンソウやネギなど約15種類の野菜を作る関谷英雄さん(58)はセルトレー用の自作の種まき器を工夫した。一粒まきで苗を作る時に効率的な種まきができ、作業時間は通常の半分ほどに短縮した。材料は牛乳などの紙パックだけで費用はゼロ。種まき器を置く台や、収納する箱も紙パックで作り、作業を快適にする工夫もしている。

 種まき器を作ったのは、5年ほど前。当時、間引きの手間を短縮するために、1粒まきでセルトレーを使った苗作りを始めた。だが、小さな種を小皿に入れてピンセットでつまみ、種まきの時間が掛かるのが課題だった。そこで「種を入れる小皿を工夫して、作業効率を上げられないか」と考えたが、いいアイデアは出なかった。

 だが、自宅で入浴してリラックスしているとき、どこにでもある紙パックを使うアイデアがひらめいた。関谷さんは「風呂やトイレに入って無心になっているとき、よく新しい考えが生まれることが多い」と振り返る。

 種まき器は紙パックをはさみで切り、片手で持てるサイズにした。紙パックの角を利用した種まき器を使うことで種を流し入れることができ、ピンセットで種を一粒一粒つままずに済み、時間短縮となった。「作業時間は半分ほどになったと思う」とみる。

 必要なものは、牛乳やジュースの容器に使われる1リットルの紙パックだけだ。作り方は簡単。紙パックを横に半分ほどに裁断する。次に紙パックの角を残して、側面を縦半分に切り離す。切り離した紙パックの先端を、種が取り出しやすいようにスコップのような形状に切ったら完成だ。

 この他にも、作業中に種まき器に入れた種が散らばらないように、種まき器を置く台も紙パックを使って作製した。高さ2センチほどの底を残した紙パックに種まき器が置けるように、V字に切れ込みを入れて作った。また、種まき器や種が入っている袋やピンセットなど、作業に使う道具一式を収納する箱も紙パックで自作した。関谷さんは「小さなことだが、整理整とんをすることで作業が快適になる」と説明する。

 JA湘南で営農技術顧問として、日頃、若手農家や市民に営農のアドバイスや、考案したアイデア農具の紹介する関谷さん。午後5時には農作業を切り上げる効率的な農業がモットーという関谷さんは「限られた時間で創意工夫して、生産するのが農業の面白さ。今後も農業が魅力的な仕事だと思ってもらうために技を伝えていきたい」と意気込む。 



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