ドローン防除2・8倍に 18年度 2・7万ヘクタール 登録農薬数確保が課題

 薬剤散布ドローン(小型無人飛行機)を使った延べ防除面積(2018年度速報値)が2万7346ヘクタールとなり、前年度の2・8倍に増えたことが農水省の調査で分かった。16年度にドローン散布が本格化して以降、機体やオペレーターの登録が急増したことが背景にある。ただ、米、麦、大豆の作付面積183万ヘクタールに占める割合は2%に満たない。今後は中山間地域での普及や野菜、果樹類でドローン防除に使える農薬数の確保などが課題となる。

 ドローンなど小型無人航空機の飛行基準を定めた改正航空法が15年12月に施行後、ドローンによる農薬散布が本格的に始まった。農林水産航空協会による登録機体数は、18年12月末時点で1437。17年度の2倍に拡大した。オペレーター認定者数も5399で、17年度の1・8倍に増えた。

 18年度の延べ防除面積2万7346ヘクタールは4~12月の速報値。作物別で見ると、水稲が2万3177ヘクタールと全体の85%を占める。麦類1960ヘクタール、大豆1871ヘクタールと続く。これら三つの作物の合計面積は2万7008ヘクタールと、ドローン防除面積の99%を占める。

 一方で、産業用無人ヘリコプターの防除は延べ面積が約100万ヘクタールまで普及しており、同省は「中山間地など無人ヘリコプターが使いにくい場所でも普及を進めたい」(技術普及課)考えだ。

 野菜や果樹を含むその他作物の面積は338ヘクタール。土地利用型作物との差は大きい。背景にあるのは野菜、果樹で使える農薬の少なさだ。

 通常のドローンは、積載重量が最大10リットル程度。少量で効率的に散布するのに適した農薬が必要となる。ただ、対象農薬の登録数は現在、稲・麦類が463剤に上るのに対し、野菜類は48剤、果樹類は18剤と少ない。

 使える農薬数を増やすため、同省は2月、ドローンに適した農薬の登録申請手続きを簡素化。単位面積当たりの農薬投下量が地上での防除と同等なら、作物残留試験の追加は不要とした。22年度末までに野菜類で121剤、果樹類で69剤の確保を目指し、ドローン利用を広げたい考えだ。

 同省は、22年度までに農薬散布面積を延べ100万ヘクタールに伸ばす目標を掲げている。

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