農産品「TPP限度」 政府へ申し入れ 米強硬姿勢けん制 一部合意にもくぎ 日米貿易交渉で自民

 日米貿易協定交渉の初会合が15日からワシントンで始まるのを前に、自民党は12日、対米交渉に関する対策本部を開き、決議を採択した。米国内で日本の農産品の市場開放を急ぐ論調が強まる中、米国に都合のいい一部だけの合意や環太平洋連携協定(TPP)を超える市場開放を避けるよう政府にくぎを刺すのが柱。同日、交渉を担当する茂木敏充経済再生・TPP担当相に申し入れた。

 日米交渉を巡っては、米国のパーデュー農務長官が11日、ワシントンで日本の記者らの質問に応え、農畜産品を念頭に「早期の暫定的な合意を望んでいる」と述べた。9日には「TPPと同等か、上回る協定を早く結びたい」と語っていた。

 決議は、こうした米国の強硬姿勢を受けて安易な譲歩をしないよう念押しする狙いだ。自民党のTPP・日EU・日米TAG等経済協定対策本部(本部長=森山裕国会対策委員長)と、同党国会議員有志でつくる「TPP交渉における国益を守り抜く会」(会長=江藤拓首相補佐官)の合同会議で採択した。

 農林水産品の市場開放水準は「過去の経済連携協定で約束した内容が最大限」とした昨年9月の日米共同声明を大前提に交渉に臨み、合意は「フルセットで行われるべきで、一部だけ取り出す部分合意は行わないこと」と明記した。

 乳製品の低関税輸入枠などを念頭に「(米国離脱前の)TPP12を超えないものとすること」とも明記。昨年12月末に発効した米国を除く11カ国によるTPPに追加して枠が設定されることがないよう念押しした。

 自動車と自動車部品についても、米政府がちらつかせる追加関税に対し、毅然(きぜん)と対応するよう求めた。

 森山本部長は「(政府は)今まで国民に約束をしてきたことは、しっかり守らなければならない」と強調した。
 

ワシントンで交渉開始へ


 茂木敏充経済再生・TPP担当相は12日の閣議後会見で、日米貿易協定交渉の初会合を15、16の両日にワシントンで開くと発表した。「昨年9月の日米共同声明に沿って交渉を進める」と述べ、物品を中心に交渉範囲を決める考えを示した。焦点となる自動車や農業分野での日米の立場も確認する方針だ。

 茂木担当相と米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が交渉する。両氏が直接対峙(たいじ)するのは昨年9月に日米共同声明を議論した閣僚級貿易協議(FFR)以来。共同声明では物品以外の分野について「早期に結果を生じ得るものについても交渉を開始する」としており、範囲を決める場になる。

 交渉開始が迫る中、米国のパーデュー農務長官らから強硬な発言が目立つ。吉川貴盛農相は12日の会見で「日本が一方的に農業分野の関税を引き下げることは到底ありえない」と改めてけん制した。

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