対中輸出 牛・豚肉 解禁へ前進 検疫協定に実質合意

 政府は15日、牛肉などの日本産畜産物の中国輸出に必要な「動物衛生及び検疫協定」(仮称)の締結へ、中国政府と実質合意したことを明らかにした。14日に北京で開かれた日中閣僚級のハイレベル経済対話で確認した。中国は日本産牛肉、豚肉などの輸入を禁止しており、その解禁に向けて前進した形。今後始まる具体的な輸出条件などの協議を迅速に進め、早期解禁できるかが課題となる。
 
 中国は、2001年に日本で牛海綿状脳症(BSE)が発生したことを受け、日本産牛肉の輸入を禁止。豚肉などの日本産畜産物も家畜伝染病の影響で輸入できない状況にある。

 同協定は、国境を越えた動物疾病の情報共有など、両政府の協力を強化し、畜産物の安全な取引を促すことが目的。中国は、日本産畜産物の輸入再開に同協定の整備を求めていた。

 禁止措置直前の2000年時点での中国への牛肉輸出額は、年間1867万円。日本政府は、協定合意を契機として、中国での販路を拡大したい考え。

 ただ、実際の輸出解禁は協定締結後、当局間で検査体制などの輸出条件を詰めた後になる。「どういう対応を求めてくるか不透明な部分もある」(政府関係者)だけに、安全性などの理解を促し、中国側の合意を早期に取り付けられるかが焦点となる。

 経済対話には、日本側から河野太郎外相、吉川貴盛農相ら、中国側からは王毅外相、韓長賦農業農村部長らが出席した。日本側は、東日本大震災後から中国が続けている日本産食品 などへの輸入規制の撤廃や緩和についても、改めて要請した。

 中国への牛肉輸出を巡っては、中長期的には和牛精液・受精卵の流出防止策をどう構築していくかも課題となる。現地で和牛に似た品質の牛肉が出回っていれば、日本産牛肉への需要の縮小にもつながる。輸出解禁の協議と併せて、実効性のある防止策の確立が求められる。 
 

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