改元まであと2週間に迫る中

 改元まであと2週間に迫る中、書店で“異変”が。『万葉集』が書棚から相次ぎ消えている▼新元号「令和」由来の箇所を一読しようと買い求めているらしい。東京・丸善本店を訪ねたが同じだった。しばらくして店員が「今入りました」と書庫から角川ソフィア文庫全4巻を持ってきてくれた。「あった」と思わず声が。第1巻385ページ目に「初春の令月にして、気淑(よ)く風和ぎ」と。現代語訳では令月は佳(よ)き月とある▼政府は英訳を〈美しい調和〉から〈ビューティフル・ハーモニー〉とした。問題は〈令〉の意味合い。日産ゴーン事件ではないが、令状などに使う命令がまず浮かぶ。英訳には違和感ありとの指摘もある▼小欄で新元号の字を〈永〉〈天〉など五つ挙げたが、これほど外れると、吹っ切れた気持ちになる。発案者は万葉集専門家で国文学者の中西進さんとされる。先日、偶然にも中西さんが館長を務める富山市の「高志の国文学館」を訪ねた。高志は〈こし〉と読み古代北陸の名称の一つ。万葉集編さん者の歌人・大伴家持(やかもち)は富山とゆかりが深い。同館の家持生誕1300年企画展できょうから梅の歌も展示する▼〈令和〉の元となった歌は家持の父・旅人(たびと)が九州で詠む。そう思うとロマンあふれる万葉の世界がぐっと身近になる。
 

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