「ロシアと日本の因縁は、シベリアにおける飢えと渇えからおこるのである」

 「ロシアと日本の因縁は、シベリアにおける飢えと渇(かつ)えからおこるのである」。作家司馬遼太郎は『ロシアについて』で書いた▼今につながる北方領土問題の難しさを説いたものだが、日本の姿がはっきりする契機にもなった。荒涼としたシベリアを開発したロシアは不足する食料と衣類を補うため日本列島に接近。江戸幕府の領土意識を刺激したということだろう。蝦夷(えぞ)地(北海道)探索が始まり、本格的な地図作製にもつながった▼きょうは「地図の日」。伊能忠敬が1800年に蝦夷地測量へ江戸を出発した日である。17年間で全国を歩いた道のりは4万キロ、地球1周分となる。実測による「伊能図」は驚くほど正確で、幕府は安全保障上の禁制品とした。医師シーボルトが日本国外に持ち出そうとして処罰された事件は教科書にも出てくる▼さて、政治の地図はどうか。統一地方選は後半戦が終盤である。無力な政治への諦めからか、無投票当選や低投票率が目立つ。しかし、〈実測〉すれば変化の兆しも。市議選などの女性候補者は過去最高。先の道府県議選も女性当選者が過去最高だった。世界的にも女性の進出が目覚ましい▼男性中心の政治に対する「飢えと渇え」が“政治地図”を塗り替える原動力になるか。21日の投開票を注目したい。
 

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