産地品種銘柄824に 中・外食向け導入活発 19年産米

 堅調な業務用米の需要を取り込もうと、米産地が中食や外食に向けた品種の導入を活発化させている。農水省によると、2019年産米で設定された産地品種銘柄の数は前年産を29上回る824銘柄と、11年連続で増加した。多収な上、コンビニ弁当や丼物などの調理適性がある品種が目立つ。業務向けに産地が独自に品種開発する動きも出ている。

 新たに設定されたのは37銘柄で、8銘柄が廃止。銘柄数は09年産(570銘柄)から増加が続いている。

 農研機構が開発した多収性品種の設定が相次いだ。18年産から新潟で本格栽培が始まった「つきあかり」は、新たに青森、山形、富山、石川、長野の5県で設定。外食に加えて、冷めてもおいしさが持続するため、コンビニ弁当といった中食での利用に適している。

 申請したJA全農いしかわは「実需からの要望があり、生産量を増やしている」と話す。

 「ちほみのり」は、新たに福島と新潟の2県が設定。程よい粘りがたれと絡みやすく、丼物に向く。申請したJA全農にいがたは「早生品種なのでコシヒカリと作期分散できる」と利点も指摘する。他に、岐阜で「ほしじるし」、鹿児島で「とよめき」などが設定された。

 業務需要を見据え、都道府県が開発した品種も登場した。北海道が開発した新品種「えみまる」は19年産から約500ヘクタールで本格栽培される。直播(ちょくは)栽培に適し、作業負担を軽減できるのが特徴で、「労働費を抑えられ、一定に価格を抑えて提供できる。主に業務向けに販売する見通し」(北海道)。三重は「みのりの郷(さと)」を設定。多収性品種で、三重県が民間企業と共同開発した。

 その他、家庭向けを狙った良食味ブランド米を導入する動きも続く。今回、鳥取で「星空舞」、愛媛で「ひめの凜(りん)」が新たに設定。共にそれぞれの県が開発した新品種で、19年産から本格栽培が始まる。山形県が開発した高級ブランド米「つや姫」は今回、新たに山梨と佐賀の2県が加わり、山形県外での設定は計9県となった。
 

<ことば> 産地品種銘柄


 「○○産コシヒカリ」のように「産地名+品種名」で表す米の名称。同省に申請し登録される。例年3月の作付け前の段階で、当年産の登録銘柄の一覧が公表される。一般的に、新品種の本格栽培に先立ち、産地が設定する。
 

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