温暖化対策 洪水渇水の続発抑制 気候変動に新指標 東大と環境研

 世界平均気温の上昇をパリ協定の努力目標である1・5度以下に抑えれば、洪水や渇水の続発を大幅に減らせることが、東京大学生産技術研究所と国立環境研究所の研究で分かった。努力目標は産業革命前と比較し、気温上昇を1・5度に抑えること。地球温暖化が引き起こす世界の水循環の変化を科学的に示した。防災と水の安全保障の観点で、努力目標を達成する意義を明らかにした。

 研究グループは、温暖化の影響を測るため、連続した降水期間と無降水期間の変動の強さを表す新たな指標「水文気候的強度」を定義した。気温上昇が1・5度の場合と2度の場合で大規模なシミュレーションをし、同指標の強度を調べた。

 温暖化が0・5度分進むと、同指標の強度は世界的に大きく強化され、湿潤と乾燥の変動が激しくなった。北米大陸とユーラシアの高緯度地域では降水期間が長引き、地中海地域では無降水期間が長引く。

 また、100分の1より低い確率で発生する極端な洪水や渇水の強度は、平均的な湿潤・乾燥と比べて10倍の大きさになる可能性があることも分かった。

 研究グループは「日本では2018年に洪水とそれに続いて熱波となった。こうした極端な湿潤と乾燥が将来起こりやすくなる可能性を示唆している」と指摘する。

 パリ協定は15年に、地球温暖化対策の国際的な枠組みとして採択された。気温の上昇は、2度未満に抑えることを目標とし、1・5度以下を努力目標とした。

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