豚コレラ 予防的殺処分も視野 新対策で農相

 吉川貴盛農相は23日の閣議後会見で、豚コレラの発生拡大防止の強化策として、監視対象農場を対象に豚の早期出荷や、感染していない農場の豚も殺処分する予防的殺処分も視野に入れて検討を進めていることを明らかにした。感染の懸念が残る農場から豚を一度、全てなくして、拡大のリスクを断つのが目的。飼養衛生管理基準の順守徹底が最も重要とした上で、「次善の策」と位置付けた。

 吉川農相は「飼養衛生管理基準の順守が最も重要」とこれまでの方針を前提とした上で、「次の段階を視野に入れ、あらゆる手段を検討している」と説明。現地の要望や岐阜、愛知両県と相談しながら合意形成を進めていく考えを示した。

 早期出荷や予防的殺処分の対象は、発生農場と同じと畜場を使った可能性がある農場や、野生イノシシで陽性が確認された地域から半径10キロ以内の農場などの「監視対象農場」と想定。岐阜県は25農場、愛知県は83農場が指定されている。

 小里泰弘農水副大臣は同日、愛知県の大村秀章知事と面会し、当面の対応として、感染イノシシが見つかっている同県瀬戸市と小牧市の計4農場での早期出荷を提案。対象農場は母豚を含めて早期に出荷する。大村知事は「農家の理解を得ながら進めていく」との考えを示した。

 早期出荷では、適期に出荷できずに価格が下がる可能性がある。同省は差額の補填(ほてん)などを経営再建の支援策を検討している。生育が進んでおらず、出荷が難しい場合を想定し、予防的殺処分も視野に入れる。

 予防的殺処分に踏み切るには、家畜伝染病予防法の改正が必要となる。宮崎県での口蹄(こうてい)疫発生時は、議員立法で、予防的殺処分と費用の全額補償を定める法改正案を提出し、実現した例がある。

 一方、豚へのワクチン接種について吉川農相は、一連の措置によっても感染拡大が止まらない場合に「最後の最後(の手段)」として検討する考えを示した。

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