[未来人材] 25歳。 コストを抑え経営多角化 営業で培った行動力 古賀百伽さん 福岡県久留米市

25歳の若さで2ヘクタールの農地を管理し、2児を育てる古賀さん(福岡県久留米市で)

 保険の営業で培った行動力と柔軟な発想力で出費を抑え、経営を拡大し続ける農家がいる。福岡県久留米市の古賀百伽さん(25)だ。20アールのイチゴ観光農園、1・2ヘクタールのタマネギ畑など計2ヘクタールの農地を管理しつつ、6次産業化にも精を出す。家庭菜園のスタートからわずか2年。今では立派な多角化経営者だ。

 観光農園で最も費用がかかるのはハウスの建設費だ。借入金を抑えようと考えていた古賀さんは、地元のイチゴ部会が高齢化しているのを聞いて、引退する農家がいるはずと思いついた。古賀さんが非凡なのはその行動力だ。普通はJAや役場に相談し、連絡を待つ。一方、古賀さんは受け身にならず、率先して自分でハウスを探した。

 車であちこち回り、空っぽのハウスを見つけては、近所の家に飛び込み、持ち主を探した。前職は保険の営業。「家を訪ねて世間話をするのには慣れっこ」という。隣町にまで探索網を広げ、無事に譲ってくれる農家にたどり着いた。

 規格外の野菜で作ったパウダーを混ぜ込んだ「野菜せっけん」も生み出した。光るのは、多くの農家が苦手とする流通・販売面の工夫だ。古賀さんが安く、効果的に宣伝できる媒体として選んだのが、インターネットを使った資金集めの手法のクラウドファンディングだ。自分のやりたいことをネット上で訴え、共感した人から投資してもらう。集まった資金の数%を手数料で払う仕組みだ。

 自分の思いや、情熱などを閲覧者に訴えるのが一般的だが、何を書くかは個人の自由。古賀さんは商品の特徴や売り、コンセプトを強く押し出すことで、広告として利用。閲覧した人が興味を持ち、結果的に数十人の固定客を獲得した。

 コスト意識が強いのは「やりたいことがいっぱいある」から。他にも作りたい6次化商品がある。これから移動販売車の運行も始める。農家レストランを開く夢もある。幅広く事業をすれば、投資にかかる費用は膨らむ。自分の挑戦を妨げないために、無駄なコストはかけていられない。

 2児の母親としての顔も持つ古賀さん。7年間苦楽を共にした夫・智樹さん(25)は「何事も妥協しない、自慢の妻です」と胸を張る。農業に育児に、古賀さんの挑戦は終わらない。(金子祥也) 
 

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