輸入ブドウ 攻勢強まる 関税撤廃 増加に拍車

 財務省の貿易統計で、ブドウの3月の輸入量が7677トンとなり、単月では統計のある1988年以降で最大となったことが分かった。種がなく皮ごと食べられる品種を中心に需要が伸び、売り場が拡大。環太平洋連携協定(TPP)の発効で季節関税が即時撤廃されたことも輸入増に拍車をかけている。昨年の年間輸入量は3万7094トンと88年以降で最多だったが、発効後の今年1~3月はそれを上回るペースだ。(三宅映未)
 

売り場拡大 3月最多


 輸入ブドウのスーパーでの売り場は着実に広がっている。首都圏を中心に展開するスーパーは、今年1~3月の輸入ブドウの売上高が「前年の1・6倍以上に達した」と明かす。単価を前年より抑えられたことで、販売点数が増え、売り上げ増につながった。「洗ってすぐに食べられることが人気で消費者に浸透している」とみる。東京都内の仲卸業者も「スーパーからの輸入ブドウの要望は年々強まっている」と需要の広がりを確信する。

 これまでブドウの輸入には季節関税があり、世界貿易機関(WTO)協定加盟国間では3~10月で17%、11月~翌2月で7・8%。オーストラリアとチリは、日本と経済連携協定(EPA)を結び、段階的な関税撤廃を実施。TPP発効前の3~10月の関税はオーストラリアで9・3%、チリで4・3%だった。

 これらの関税は、TPP発効により即時撤廃された。両国からの3月の輸入量は、前年同月比でともに約3割伸びた。オーストラリアの業者は日本市場の開拓に向け、日本の商談会に出展した。「TPP発効が日本への輸出の追い風になる。まだ日本に輸出していない品種を進めたい」と商機をにらむ。

 一方で、産地の懸念は強い。国内の産地関係者は、「国産の露地物が本格化したときの相場形成に影響があるかもしれない」と心配する。
 

キウイも過去最大 18年


 輸入攻勢が強まっているのはブドウだけではない。キウイフルーツも、18年の年間輸入量は過去最大の10万6082トン。このうちTPP加盟国であるニュージーランド(NZ)産が96%を占める。TPP発効で、6・4%の関税が撤廃された。

 輸入大手のゼスプリインターナショナルジャパンは、今年のNZ産キウイフルーツ輸入計画量を前年並みの2853万5000トレー(1トレー=約3・5キロ、約9万9873トン)と見込む。4月中旬から前年より前倒しで輸入を始め、売り場への攻勢を強めている。

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