[未来人材] 27歳。 農業の傍ら自転車ツアーを企画 畑作の風景を感じて 高野竜二さん 北海道芽室町

自転車ツアーで地域の魅力を発信する高野さん(北海道芽室町で)

 北海道の大規模畑作農業と自然を五感で感じてもらおうと、十勝地方の芽室町が力を入れる自転車ツアーが今年本格化する。町役場と共に中心となって進めているのが、畑作を営む実家で就農した高野竜二さん(27)だ。海外でのネーチャーガイドの経験を生かし、風景をつくり上げる農業の大切を伝え、農村地帯の魅力を発信している。

 東京都内の大学を卒業後、町内の畜産法人で8カ月ほど勤務。その後、ニュージーランド(NZ)の観光地でネーチャーガイドを務め、2017年に町内で畑作を営む実家に就農した。

 大学進学前は就農を考えていなかった。だが、学生時代に環太平洋連携協定(TPP)の発効などが現実味を帯びて危機意識が芽生え、農業系の学生団体に参加。農業に縁遠い人にも関心を高めてもらおうと、農泊や調理イベントを通じ、都市部と農業現場をつないだ。

 自転車の魅力は、学生時代に2週間ほどかけて道内を1周したことで深まった。「徒歩ほど遅過ぎず、バイクや車ほど速過ぎない。景色を楽しみながら風や空気を感じ、自分のペースで楽しめる」と魅力を語る。NZでのガイドの経験も生かそうと、就農直後から芽室町サイクルツーリズム協議会に参加し、ツアーの構想を練り始めたという。

 現在は同協議会の理事兼ツアーガイドとして自転車ツアーを企画する。自転車で芽室町を楽しむことを「めむろ散走」と称し、昨年は町内12キロほどのコースを設定。写真映えする町内の農村風景やカフェを撮るツアーなど、試験的なツアーを3回実施した。

 ツアーでは町の特産であるゴボウの収穫体験も行ったが、作業中はブーツカバーを履いてもらった。「無断で畑に入って写真を撮る人もいる。防疫対策は大前提。農業や自然を楽しんでもらうだけでなく、目に見えない大切なことも伝えていきたい」と強調する。

 町は「ツアーガイドの経験がある上、農作物の見頃や、畑での注意点などを指摘してくれる貴重な存在」(商工観光課)と語る。

 今夏には、本格的なツアーを開く。高野さんは「質を高めながら、地域全体で理解し、受け入れていこうとする環境もつくりたい」と見据える。(川崎勇)

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