「人生100年時代」を地で行く方である

 「人生100年時代」を地で行く方である。きょう、作家で尼僧の瀬戸内寂聴さんが97歳に。先立った親友や悪友に「あの世で待っていて」と見送ることが増えてきたという▼同じ1922(大正11)年生まれの日本文学者ドナルド・キーンさんもその一人。キーンさんは若い時に『源氏物語』英訳本を偶然手に取り、「こんな美しい物語を書く日本人に興味を持った」。日本文学を精力的に英訳出版し、川端康成ら日本人のノーベル文学賞受賞に貢献した▼キーンさんと寂聴さんは気心が知れる仲で、対談を重ねた。心に残るのは『日本を、信じる』。東日本大震災の悲劇の中でも日本人の底力を信じ、励まし続けた。キーンさんは大震災後に「日本人として生きる」と日本国籍を取った▼先日、68歳の若さで逝ったショーケンこと萩原健一さん。寂聴さんを「おかあさん」と慕い、毎朝電話をかけたという。来月、NHK大河ドラマ「いだてん」に昭和初期の政治家・高橋是清役で登場する。生前に録画撮りした。ちょっぴり不良で純粋だった“万年青年”ショーケンにまた会えるかと思うと、懐かしさが増す▼寂聴語録で思い浮かぶのは“和顔施”という仏教語。〈わがんせ〉と読む。人を笑顔にすることで心を和ます。達観の境地でもあろう。 
 

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