ジャンボタニシ 捕獲にビリビリ有効 おびき寄せて超音波で駆除

電極に集まるレンコン園地のジャンボタニシ(佐世保高専提供)

 長崎県の佐世保工業高等専門学校の柳生義人准教授(電気電子工学科)は、水田作物を食害するスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)を電気でおびき寄せ、超音波で駆除する方法を開発した。薬剤を使わず土壌への負荷もない。佐賀県で行った実証実験では有機レンコン園地に48ボルトの電圧を24時間流した結果、約600匹の捕獲に成功。生産現場での実用化に向け、防除装置を設置できる水田や協力農家を求めている。
 

長崎・佐世保工専 柳生准教授が開発 


 ジャンボタニシの駆除は薬剤散布や人手による捕殺が一般的。ただ、薬剤は施用回数の制限や環境への負荷を心配する声がある。人力での防除は農家の作業負担が大きかった。

 柳生准教授によると、ジャンボタニシは電極に電流を流すと負極側に集まる習性がある。佐賀県白石町の縦80メートル、横50メートルの有機レンコン園地で実験した。正負の対の電極数枚を園地のへりで水没しない深さの場所に数メートル間隔で設置。電気を流すとジャンボタニシが集まった。他の生物に影響は見られなかった。

 水田に点在する厄介者を1カ所に集められれば駆除が楽になる。広い面積での有効性など確かめるべき課題はあるが、柳生准教授は効果があるとみて「電気的手法による捕獲と誘引の実証は世界初ではないか」と話す。

 実験園地の外で行った超音波による駆除実験では、周波数の異なる三つの超音波を15秒~7分当てた結果、低周波(28キロヘルツ)の駆除率が高いことが分かった。今後は各研究成果を組み合わせ、生産現場で実用化できる仕組みを作る。柳生准教授は「決定的な防除方法はなく生産現場では駆除を諦める傾向もある」と農家の苦悩を代弁。実験水田や装置の設置など協力農家を求めている。
 

 <メモ> スクミリンゴガイ


 通称ジャンボタニシ。関東以南に生息、分布が広がっている。水稲やレンコンなどを食害し、収量に大きな被害を及ぼす。4~10月が産卵時期。産卵数は年間2000~8000個で日本固有のタニシ(年間50個)に比べ産卵能力が高い。農研機構・九州沖縄農業研究センターのまとめでは1993年に全国で4万3000ヘクタールだった発生面積は2012年に11万ヘクタールに拡大。 
 

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