猛暑 しかも渇水 牛ばて、畑作心配

干ばつに加えて連日の猛暑で、小麦畑で散水に励む畑作農家(27日、北海道大空町で)

 まだ5月中にもかかわらず真夏のような暑さが、27日も北海道から関東などで続いた。北海道を中心とした異例の暑さに、農家は家畜の夏ばてや農作物生育への影響を心配する。気象庁は暑さのピークは越えたものの、今週は広い範囲で気温が平年に比べて高くなるとして、熱中症や農作物の管理に厳重な警戒を呼び掛ける。
 

畜舎冷やし かん水懸命 北海道の農家


 26日に北海道で史上最高となる39・5度を記録した佐呂間町があるオホーツク地方は、27日も各地で30度を超える暑さに見舞われた。網走農業改良普及センターによると、酪農家から高温の影響で乳牛の食欲が落ちているとの連絡があり、乳量や抵抗力の低下を心配する。畑作物では少雨も重なり、農家は牧草、飼料用トウモロコシの生育なども懸念する。

 遠軽町の社名渕みどり牧場は、牛舎の暑さをしのぐための対策に追われた。フリーストール牛舎で固定式大型扇風機をフル回転させ、牛舎の窓を全開にする。乳牛530頭を飼育する石丸和江さん(58)は「この時期でこんな暑さは初めて。暑さが続くと、乳牛の食欲が落ち乳量が減少する他、分娩(ぶんべん)前後の牛や初生子牛の体調不良が発生する」と心配する。

 大空町では、かんがい設備が整った一部の圃場(ほじょう)で畑作農家らが散水作業に追われた。同町で小麦とテンサイ、ジャガイモを23ヘクタール栽培する50代男性は「干ばつに加え、この暑さで生育が遅れてしまう。少しでも改善されれば」と期待を込めた。

 十勝地方は27日、各地で35度以上の猛暑日を記録した。芽室町で小麦やテンサイなど55ヘクタールを栽培する粟野秀明さん(55)は「秋まき小麦は出穂に向けた生育最盛期だが、水不足により、葉の緑色が例年より薄い」と話す。テンサイの生育や大豆の発芽も、例年より進んでいないという。

 かんがい施設があってもかん水できるのは、農地の一部だ。雨が少ないため表土は乾燥し、飛散しやすくなっている。粟野さんは「雨を待つしかない」と話す。

 猛暑の影響は東北にも及ぶ。福島県JA夢みなみすかがわ岩瀬地区野菜協議会会長を務める須賀川市の小川明男さん(69)は現在、10アールのハウスでキュウリを栽培し、現在収穫作業の真っ最中だ。「ハウス栽培で気温が高いと、対処のしようがない。日よけや湿度管理をしないといけない」と、生育への影響を最小限に抑えることを目指す。
 

来週にかけ警戒 熱中症に備え水分や休憩を


 日本列島全体を覆った高気圧に加え、大陸側からの暖気が重なるなどしたため、北海道を中心に記録的な高温となっている。27日も北海道では帯広市で35・8度を記録するなど異例の暑さとなった。同日の35度以上の猛暑日は全国23地点、30度以上の真夏日は422地点となった。北海道音更町でも35・3度、埼玉県熊谷市で36・2度、群馬県伊勢崎市で36・0度などと、広い範囲で猛暑日が記録された。

 気象庁によると、高気圧が次第に列島を離れていくため暑さは少しずつ和らぐものの、6月上旬も警戒が必要という。西日本では28日にかけて雷を伴う大雨になる見通しだ。同庁は「農作業をする人は無理をせず、適度の休憩や水分補給に努めてほしい」と呼び掛ける。

 気象庁は27日、異常天候早期警戒情報を発表した。東北、北陸、中国は6月1日ごろから、東海、近畿、四国、九州全域では2日ごろから、平年に比べて気温がかなり高くなる見通しだ。 

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