「スマート」「農福」特集 「強い農業」アピール 生産基盤は分析不足 18年度白書閣議決定

 政府は28日、2018年度の食料・農業・農村白書を閣議決定した。農業と福祉が連携し、労働力確保や障害者の社会参画につなげる「農福連携」などの施策と現場事例を特集。農業総産出額と生産農業所得が共に3年連続で増えたことなどを挙げ、「強い農業の創造」もアピールする。ただ、一連の成果が生産基盤の確保にもたらす貢献度や、相次いで発効した貿易協定が国内農業に与える影響に関する分析は、乏しかった。

 冒頭の特集では①自然災害からの復旧・復興②スマート農業③農福連携──を取り上げた。

 農福連携では、農業側の利点として人手確保に加え、生産工程や作業体系を見直せる利点などを説明。各地の実践事例を掲載し、農業生産工程管理(GAP)の取得を通じて手順の明確化につなげたケースや、JAによる農家と就労継続支援事業所のマッチングなどの動きを紹介した。

 災害関連では西日本豪雨で被害を受けたかんきつ産地で関連設備が復旧している状況などを報告。スマート農業は本格販売が始まった自動走行トラクターなどを紹介している。

 「強い農業の創造」の章では、17年の農業総産出額が9兆3000億円、生産農業所得が3兆8000億円と、共に3年連続で増えた点を成果に挙げた。

 ただ、農水省の食料・農業・農村政策審議会企画部会では、「品不足で単価が上がって生産額が伸びた面もある」「農業自体が強くなっているのか」との指摘や疑問が出ている。生産基盤の強化にどこまでつながったか、詳細な言及はなかった。

 貿易協定では、18年末から19年2月にかけて相次ぎ発効した環太平洋連携協定(TPP)や欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の内容を紹介。対日関税の撤廃による輸出拡大の可能性などに触れた。

 半面、両協定の発効によって農産物輸入が増え始めている点などの明確な言及はなく、「農林水産業の再生産が引き続き可能となる必要な国境措置が担保できた」などの表現にとどまった。 
 

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