国連「家族農業の10年」記念式典 支援策具体化へ 

FAOとIFADは合同で2019~28年の「家族農業の10年」のための世界行動計画を立ち上げた(イタリア・ローマで=FAO/Pier Paolo Cito提供)

 国連食糧農業機関(FAO)と国際農業開発基金(IFAD)は29日(日本時間の29、30日)、イタリア・ローマのFAO本部で、国連の「家族農業の10年」の記念式典を開いた。世界83カ国から農相を含む政府代表、農家、農林漁業団体、研究者ら600人以上が参加し、家族農業の支援を具体化させる重要性を共有した。持続可能な地域や食料安全保障の実現に欠かせない存在であると確認した。
 

83カ国参加 対話通じた政策決定に 


 国連は2014年を「国際家族農業年」とした。17年12月の国連総会で、日本を含む104カ国の賛成で可決し、10年間延長する形で19年から28年を「家族農業の10年」と位置付けた。記念式典は「家族農業の10年」への理解を広げようと実施し、日本からは津市の有機農家、村上真平さん(60)や小規模・家族農業ネットワーク・ジャパン(SFFNJ)の呼び掛け人、奥留遥樹さん(35)らが参加した。

 奥留さんによると、記念式典の他、関連イベントやセッションを実施。「家族農業の10年」を推進する七つの柱でつくる世界行動計画が発表された。計画には①家族農業強化のための実現可能な政策環境②若者を支援し、家族農業の世代間の持続可能性を確保する③家族農業の男女平等と農村の女性のリーダーシップの促進──などを明記。今後、各国で国家行動計画を策定していく。

 政府のトップダウンではなく、対話をしながら農家や地域社会からのボトムアップで家族農業の政策を実現する重要性も強調されたという。奥留さんは「政策決定のプロセスそのものも変えていくきっかけにしたい」と展望する。

 記念式典で、FAOのジョゼ・グラチアノ・ダ・シルバ事務局長は「飢餓の解決に家族農業が不可欠である」と強調。IFADのジルベール・ウングボ総裁は「巨大企業による食品の低コスト志向は持続的ではない」と指摘し、農村経済を支える小規模な家族農業に投資する必要性を主張した。 
 

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