マーティ・フリードマンさん(ギタリスト) 炊きたてご飯 違いに驚き

マーティ・フリードマンさん

 日本の野菜って、作った人の名前と写真を載せていることがありますよね。これがすごく面白い。アメリカだと産地も書いてないんですよ。まさか人の名前と顔が出ているなんて。作ったものに責任を取っているという気持ちからでしょうし、買う方としてはやっぱり安心感があります。

 興味があるのは、農園・農家の誰の写真を載せているのか、ということ。一番のイケメンが載るんですか。もし同じようなアスパラガスが二つあって、片方はとてもかわいい女の子だったら、僕はそっちを買うよ。
 

おいしく健康的


 日本のすごい所は、健康的な食事でもおいしいということです。アメリカですと、ジャンクフードや揚げ物はおいしいけど、健康によくない。健康的な食事もあるけど、それは全然おいしくない。おいしいか、健康的か、どっちかを選ばないといけない。僕は健康なんて考えないで、おいしい方を選んで食べていました。日本に来て、その二つが両立している食事をいただいたおかげで、体の調子がいいですね。

 この間までヨーロッパで2週間ツアーをしていました。ほぼ毎日、ピザとパスタを食べていました。ヨーロッパの魚は当たり外れがある。何を食べてもおいしい日本の魚とは違いますね。牛肉も、日本のは高いけどおいしい。餌が違ったり牛の扱い方が丁寧だったりするんでしょうか、理由は分からないけど、外国の肉とは全然違う。一回日本で牛肉を食べたら、もう戻れない。アメリカやヨーロッパでは牛肉をあまり食べたくない。食べたらがっかりするから。

 ヨーロッパツアーから日本に帰って来て空港に着いたら、すぐコンビニに寄ってマーボー豆腐の弁当を買って食べました。これがどんなにおいしく感じたことか。帰って来てよかったと思いました。
 

土地の味は最高


 日本に来た外国人に一番食べてほしいものは、炊きたてのご飯。アメリカでもご飯は食べていました。でも日本で炊きたてのご飯を食べて、その違いにビックリしました。ご飯はご飯、同じだと思っていたのに……。

 日本のご飯がおいしいのと同じように、フランスで食べるクロワッサンも最高においしい。イタリアのピザ、ドイツのソーセージ、ノルウェーのサーモン料理、韓国のキムチチゲも超おいしい。何百年も伝統のある料理は、やっぱり違います。一つ上のレベルです。その土地の風土に合っているというのも大きいでしょう。

 日本の伝統料理の代表といえば、すしになりますよね。世界中で作られていますけど、日本で食べるすしは別格。アメリカでは日本人以外の人が経営して、中華料理と一緒に提供する店が多いんです。それと食べ放題のすしがすごくはやっている。バイキング料理みたいにたくさん作って放置していて、お客さんは好きなにぎりずしを取って食べるやり方です。

 友だちが日本に来たなら、僕は普通のすし屋に連れて行きます。別に高いところではないですよ。普通の店でも雰囲気がいいし、職人さんが素早く握る姿はかっこいい。もちろん味も最高で、「こんなおいしいすしがあるなんて」と、みんな驚きますよ。そのリアクションを見るのが好き。

 土地に根差した料理は本当においしい。それを支える食材を作ってくれている農家の皆さん。どうか誇りを持って、これからもおいしい米や野菜を作り続けてほしいと思います。(聞き手・菊地武顕)

 マーティ・フリードマン 米国生まれ。1990年にヘビーメタルバンド「メガデス」に加入。全世界で1300万枚以上のアルバムセールスを誇るメガバンドに導いた。2004年に活動拠点を日本に。著書に『い~じゃん! J―POP だから僕は日本にやって来た』。7月5日、東京・渋谷のeplus LIVING ROOM CAFE&DININGでライブ。
 

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