国産砂糖 肌に潤い スキンケア商品が人気 消費増に期待

アビサル・ジャパンが販売する「シュクレ」(札幌市で)▼左=アマミファッション研究所が開発した「あま肌」シリーズの化粧品(同社提供)▼右=ペリカン石鹸が販売する「ファミリー黒糖石鹸」(同社提供)

 国産砂糖を使った化粧品が注目を集めている。北海道産のてんさい糖を使ったスキンケア商品は、吸水性、保湿性など砂糖の持つ性質を生かし人気商品になっている。沖縄県産のサトウキビで作った黒糖のせっけんも好評だ。国産砂糖の国内消費量が減少する中、生産団体も消費拡大に期待を寄せる。
 

北海道=テンサイ


 アビサル・ジャパン(札幌市)は、てんさい糖をスキンケア商品「シュクレ」などに活用する。北海道産のてんさい糖を食用原料から作ったオイルでコーティング。洗顔やパックなどに使用する。幟立眞理代表は「白糖は肌に張りと潤いを与え柔らかくし、保湿効果もある。肌だけでなく、北海道の農業も元気にしたい」と話す。

 幟立さんはアトピー性皮膚炎だった娘の肌ケアのために砂糖を使った日本初の商品開発を思い付いた。国内外から200以上の砂糖を集めて比較試験した結果、てんさい糖が最も適していた。産地が分かり、遺伝子組み換え作物でないといった、安全・安心面も決め手になり、さまざまな商品を展開する。

 乾燥肌、敏感肌、ニキビ肌の人や赤ちゃんのスキンケアなどにも人気が高まっているという。商品化に当たり、道内の産地を巡り生産者とも意見交換してきた。幟立さんは「テンサイは産地の重要な輪作作物。食べるだけでなくスキンケアから、日本の食を担う北海道農業を応援したい」と意気込みを語る。

 生産者団体も期待を寄せている。JAグループ北海道の関係者は「砂糖は食べて消費するのが基本だが、砂糖全体の消費拡大へ、健康面にも注目してもらえるのはありがたい」と話す。
 

鹿児島・沖縄=サトウキビ


 鹿児島県産や沖縄県産のサトウキビが原料の黒糖をPRした商品も注目を集めている。

 鹿児島県奄美市のアマミファッション研究所は、奄美諸島が特産の黒糖焼酎を作る際にできるもろみを生かした化粧品「あま肌」シリーズを展開する。同市産サトウキビと米こうじ、酵母が原料の黒糖焼酎もろみから抽出したポリフェノールやビタミンなどを含むエキスを配合した商品だ。

 化粧水(120ミリリットル)と乳液(60ミリリットル)、美容液(30ミリリットル)があり、全国のリピーターを中心に支持を広げている。鹿児島大学と同社が共同で開発し、2010年に発売。同社は「黒糖の利用拡大に波及し、サトウキビの生産振興につながってほしい」と期待を込める。

 老舗せっけんメーカーのペリカン石鹸(せっけん)(東京都港区)では、黒糖を使った「ファミリー黒糖石鹸」(80グラム)が家族世帯から支持を得ている。沖縄県産黒糖を配合した商品で、17年に発売。全国各地のスーパーなどで、安定して売れているという。

 手頃な値段を売りに、家族で使える商品として展開。同社は「黒糖が持つ自然な素材のイメージを生かした」と話す。
 

甘味用でシェア減


 国内の甘味原料の需要量は変わらない一方、国産砂糖の消費量は年々減少している。農水省によると、17砂糖年度(17年10月~18年9月)は前年度比1・8%減の192万1000トンで、同年度までの10年間で1割以上減少した。

 一方、砂糖や人工甘味料などを含む甘味原料の総需要量は同期間、横ばいで推移。安価な加糖調製品や液糖、人工甘味料の需要の高まりが最大の要因となっている。
 

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