どれほど緊張と不安の夜を過ごしたことだろう

 どれほど緊張と不安の夜を過ごしたことだろう。新潟、山形などを襲った強い地震から一夜明け、被害の様相が明らかになってきた▼「津波注意報」のテロップを見ながら、36年前の日本海中部地震を思い出した。入社3年目、地震の一報を聞き秋田へ向かった。道路は波打ち、各地で寸断されていた。犠牲者は104人に上り、大半が津波による。男鹿市の海岸では遠足中の小学生13人が亡くなる悲劇も起きた▼能代港では工事に当たっていた作業員34人が津波に流され命を落とした。現場に行くと、無事を祈る家族たちが両手を合わせ海を見ていた。だが海から帰って来たのは、朝持たせた弁当箱だった。泣き崩れる奥さんの姿が、今も脳裏から離れない▼平成史は災害史と重なる。しかも大規模化し猛威を振るう。地震や風水害が多発した昨年の農林水産被害は、東日本大震災を除くと過去10年で最大だった。そして令和も震度6強の揺れで始まった。本紙によると、防災研究の第一人者、室崎益輝兵庫県立大学教授は「災害が多発する危険周期に入った」と警告する。地震が活動期に入り、水害などと連動して複合災害を引き起こしやすくなっていると▼被災地には無情の雨。余震も続く。早期復旧と被害がこれ以上広がらないことをただ天に祈る。
 

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