和牛資源流出防止 立ち入り検査強化を 厳罰化も視野 農水省検討会

 農水省は18日、和牛の精液や受精卵の海外流出防止策を議論する検討会を開き、論点を整理した。国内流通管理の強化に向けて、民間の家畜人工授精所や自家利用の農家も含め、利用や保管の実態を細かく把握できるよう、記録の管理や立ち入り検査の強化を求める重要性を提示。違反者に対する罰金の引き上げなど、罰則強化の必要性も指摘した。

 同省は月内にも再度検討会を開き、取りまとめを行う。流出防止策を巡り、自民党も国内の生産や流通、保有の状況を把握する仕組みの強化を盛り込んだ提言をまとめ、同省に提出。これも踏まえて同省は、家畜改良増殖法の改正に乗り出し、早ければ今秋の臨時国会に提出する方針だ。

 精液、受精卵の採取や移植などは原則、獣医師や家畜人工授精師しかできない。有識者は、現行法ではこうした制限を受ける行為を精液などの「採取、処理」などと表記していることを指摘した。「現場では、『保管』すること自体は、誰でも問題ないと解釈されている」(家畜改良事業団理事の高橋勉氏)として、違反を明確にすべきだとの意見が出た。

 自家利用や研究目的の場合は例外となっているが、「帳簿の記録や保管義務がないのは制度上の漏れだ」(弁護士の林いづみ氏)とし、記録の徹底を求める声が上がった。

 生産や利用、保管についての規制や義務を明確化し、家畜人工授精所や自家利用農家に対する定期的な立ち入り検査を求める意見も相次いだ。

 現行法では、生産や利用を巡って違反をした場合、罰金は50万~100万円以下となっている。不正な流通の歯止めになる金額ではないとして、引き上げを求める声も上がった。精液、受精卵のストローへの表示義務の在り方も議論になった。 

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