養鶏イメージアップへ アパレル産声 農家が立ち上げ 卵とPR 第1弾はTシャツ 沖縄県うるま市

ニワティーをPRするノーマンさん(右)と海勢頭さん(沖縄県うるま市で)

 養鶏農家発のアパレルブランドが沖縄県うるま市で誕生した。その名も「ニワトリ」。農業をかっこよくしたいとの思いから養鶏農家のノーマン裕太ウエインさん(30)と県養鶏農協の元職員、海勢頭俊太さん(33)が立ち上げた。第1弾として、ブランドのロゴが入ったTシャツ「ニワティー」を販売。こだわり卵と一緒に徳森養鶏場の直売コーナーで販売する他、今月からホームページでの通販も始めた。(木原涼子)

 Tシャツは白、ピンク、グレーの3色展開。男女兼用で大人用は2810円(税別)。子ども用は90、120、140の3サイズで1890円(同)。価格設定も「ニワトリ」に関連する語呂に合わせた。肌触りが良く、汗もよく吸う。農作業着にも普段着にもなるシンプルなデザインにした。

 胸には「羽ばたく」を意味する英語「FLAP(フラップ)」をアレンジした「FLAAAP」の文字。鶏は飛べないが、卵を産む。「新しい価値を生み出すブランドとして羽ばたかせ、養鶏のイメージを変えていきたい」とノーマンさん。前職は通訳だが、家業の農業には幼少期から興味があった。若いうちに挑戦したいと祖父に熱意を伝え、約3万羽を飼養する徳森養鶏場の代表を2017年に引き継いだ。

 事業を継承すると養鶏の課題が見えた。祖父の代は全量を市場出荷していたため、近所にさえ養鶏を発信する機会がなかった。生産に特化していた分、卵はひとくくりに沖縄県産卵として扱われてしまう。市場価格は安く、出荷した卵が餌や管理法で区別されず、サイズだけで価格が決まることに疑問が湧いた。

 銘柄卵を作り、養鶏のイメージ向上を決意をしたノーマンさん。まずは飼養管理を全て見直した。与える餌の量や産卵率、生存率などは全てデータ管理する。特色を出すため、餌には市特産の黄金芋を混ぜた。鶏の免疫力を高めるため、塩素を入れた地下水を使う。自然に近い状態を目指し、鶏舎は開放型を採用した。18年夏に養鶏場発「くがにたまご」を発売。市内の直売所で対面販売を重ねてきた。

 同じ頃、養鶏農協で働く海勢頭さんと出会い、意気投合。2人でアパレルブランド立ち上げを決めた。今年4月には地元ショッピングモールの催しで、初めて卵とニワティーを並べて販売した。海勢頭さんは「笑う人もいたが、反応はあった」と受け止める。

 PRが実り、直売事業は1年半で養鶏場全体の売り上げの1割弱から3割に増加した。ノーマンさんは「服が先か、卵が先かは気にしていない。良い卵を食べたい人に届けたい」という。

 「ニワトリ」は始まったばかり。今後は赤ちゃん用のよだれかけなど新商品も構想する。「農業はつらさばかりが強調されるが、可能性のある職業。若者や母親層を巻き込み、養鶏の魅力を伝えたい」。2人の思いは強い。

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