戦争を知る世代が少なくなっていくのが怖い

 戦争を知る世代が少なくなっていくのが怖い。自分さえ良ければいいという、甘い幻想に浸る平和ぼけの世になってしまわないかと思うからだ▼家の片付けをしていたら、押し入れから息子の夏休みの自由研究が出てきた。テーマは「おじいちゃんのそかいの話」。亡き父から孫への手紙が添えられていた。特攻についてだった▼「自分から体当たりして死の世界に行くのです。下にいる日本のおじさんやおばさんはアメリカの飛行機をやっつけたと拍手しているのです。人が死んでいったことを誰もかわいそうと言った人はいないのです」。最後、こうあった。「絶対、このような世界にしてはいけないのです。平和で戦争をしない国になってほしいです」と▼沖縄で鉄血勤皇隊として動員された元知事の大田昌秀さんは生前、「日本は戦前と同じような状況になっている。戦争は、すぐに始まるものではない。じわじわと国民生活に浸透していって初めて発展する」と話し、平和教育の大切さを説いた▼きょうは74回目の沖縄慰霊の日。「今、世界は、平和を望みつつも、いまだに戦争を過去のものにするに至っておりません」。上皇陛下が1993年、沖縄訪問で語った言葉である。平和とは戦争経験者から託された命の尊さを伝えるバトンかもしれない。

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